JAXAオープンラボ公募

JAXAオープンラボ公募 「技術課題」

技術課題の一覧

JAXAは以下の技術課題に対する「技術提案」をお待ちしています。
各技術課題の詳細は「技術課題名」をクリックするとご覧いただけます。技術課題は、将来的に実現を期待する内容を記載しています。

なお、技術課題は常時掲載し、随時追加しています。共同研究提案が採択された場合、もしくはJAXA研究状況が変更となった場合は該当する技術課題の掲載を取り止める場合があります。詳細は、事務局までお問い合わせください。

現在、掲載している技術課題は11件です(2014/03/03更新)。

課題No. 技術課題名
T24-6 能動的な指向特性を有する位相合成透明アレーアンテナ
T24-7 亜酸化窒素再生型燃料電池の開発
T24-9 高性能繊維状ウィックを蒸発器に用いたループヒートパイプの製造技術及びその設計手法
T24-16 先進的熱防護システムの研究
T24-24 衝撃減衰効率が抜本的に良い衝撃絶縁技術
T24-28 宇宙環境下における高精度かつ高出カリニアアクチュエータシステム
T24-31 軽量高安全リチウムイオン電池
T25-1 電鋳ライナによる極軽量複合材燃料タンク
T25-3 非鉄芯コイル型スロットレスブラシレスモーターを10万回転以上で運転する出力2kw以上の高効率インバーター回路システム
T25-4 酸化セリウム薄膜による紫外線遮蔽コーティングの実用的ロールトゥロールスパッタリング成膜技術
T25-5 国際宇宙ステーション「きぼう」船内用 監視・清掃ロボット

技術課題の詳細

技術課題の詳細を以下に掲載します。

T24-6.能動的な指向特性を有する位相合成透明アレーアンテナ

技術分野 : 探査バス技術、探査要素技術
要素技術 : 探査機通信・データ処理技術、探査機構造・熱制御、電源・電子回路技術

背景:
宇宙機設計では、要求電力、通信可能利得、放熱面積の整合を図ることが重要であるが、複雑化・高度化するミッション要求や、唯一環境への耐性が必要な探査機では、制約が大きい中で最適な機器配置を行う必要がある。
データ送受信のためのアンテナとして位相合成(Phased Array)方式を用いることで通信可能な指向範囲を広く取り、かつ可視光の波長帯域における透過率を大きく設計することで、太陽電池(Solar Array Paddle)上に貼付することが可能である。

具体的な活用用途として、以下を想定する。

■宇宙機
  • 太陽電池面を共用した通信。
  • 太陽電池面を共用した合成開口レーダ。
■地上設備(送受信)
  • 透明である利点を活かして、効率の低いアンテナであっても、窓ガラスを利用して大面積のアレーを構成して、アクティブな指向制御を実現できる。
  • ネットワークを利用して、ユーザは意識せずに、追尾情報を取得し、固定アンテナと同様にサービスを受けることができる。
  • 各戸には、指向方向を機械的に変えられる大きなパラボラアンテナを配置することは困難であるが、この技術で窓ガラスや外壁を利用することが可能になる。
  • 透明アンテナとすることで、屋内環境を維持したまま、サービスを利用できるようになる。

内容等:

  • 安価、かつ工業的に安全な膜面実装手法の検討
  • 位相変調、合成、復調方式アルゴリズムの構築
  • 軽量、かつ貼付形状によらない送受信アンテナの試作(電波暗室における通信パターンの測定含む)
  • 表面光学特性(透過率、反射率)を任意に設定可能な光学カットオフフィルタの検討
  • 導電性材料の成膜技術およびスパッタ装置

要件:

  • 相模原キャンパスに設置されている膜面実装装置を用いてアンテナ形状を設定可能なこと。
  • 送受信システム(位相合成、増幅器、アンテナを含む)の電子回路の設計と試作が可能なこと。
  • 相模原キャンパスに設置されている電波暗室を利用してアンテナパターン測定が可能なこと。
  • アンテナ表面の光学特性値を計測可能なこと。
  • 上記光学特性値を用いて、波長における透過率可変型の表面材料を設計可能なこと。
  • 真空・振動・熱ひずみ・放射線における対策を行えること。

T24-7.亜酸化窒素再生型燃料電池の開発

技術分野 : 探査機バス技術、有人探査技術
要素技術 : 探査機電源技術、再生型燃料電池、閉鎖型生命維持技術

背景:
ISS、将来の有人探査活動を支えるために、高密度エネルギーかつ燃料電池発電と電解を用いた再生型燃料電池が重要なエネルギー源として期待されている。
燃料として亜酸化窒素(N2O)を用いることで、濃密度酸素による高エネルギー生成と、吸気による気化熱を利用した電池保存のための最適温度維持が可能な電源システム(1次、2次電池)を構築する。本手法における電気分解過程では酸素が生成されるため、これを生命維持における空気循環システムと兼用することが可能である。

内容等:

  • 亜酸化窒素(N2O)の吸気製造方式の検討
  • タンクからの窒素、酸素供給、と亜酸化窒素の電気分解循環システムの試作
  • 酸素供給機能を有する再生型燃料2次電池の発電効率の計測と評価

要件:

  • ガスタンク、酸素供給、亜酸化窒素電気分解の化学反応器といった循環系システムの構築が可能なこと。
  • 再生型燃料電池における発電効率の計測と評価を行うことが可能なこと。
  • 発電と電解のサイクル過程において、電池の効率、寿命を著しく下げることなく酸素の供給が可能な方式の検討が可能なこと。
  • 真空・振動・熱ひずみ・放射線における対策を行えること。
  • 上記検討を用途に応じて、1次、2次電池といった複数形態でのパッケージ化を行うことが可能なこと。

T24-9.高性能繊維状ウィックを蒸発器に用いたループヒートパイプの製造技術及びその設計手法

技術分野 : 熱技術
要素技術 : 能動熱制御技術

背景:
ループヒートパイプ(LHP)の熱輸送性能に大きな影響を与えるのは、ウィックと呼ばれる毛細管力を有する機構である。高性能化のためには繊維状の金属を焼結させてウィックを製造することが良いことがわかっているが、このウィックを採用したLHPを国内で低コストに製造することができていないことが弊害となっている。
近年、民生分野ではパソコンなど電子機器の熱制御にLHPを効果的に適用する例が目覚ましいため、これを活用して繊維状ウィックを採用したLHPを開発することでLHPの高性能化、低コスト化を図ることができる。また、そのLHPの設計手法を確立することで、今後のLHPの開発や宇宙機への応用に貢献できる。

内容等:
高性能ウィックを有するループヒートパイプの製造技術及び設計手法を解決する技術提案を求める。

<成果目標>
  • 繊維状金属焼結ウィックを用いたループヒートパイプの試作品作成
  • 熱輸送量100W以上の達成(2012年上期)
  • 動作温度:0℃~60℃
  • 設計手法の確立

ポーラス型焼結金属ウィックによるアプローチは検証済であるので、繊維焼結金属ウィックの点から行いたい。

要件:

  • LHPの製造設備を有すること。
  • 繊維焼結金属型ウィックの製造を行えること。
  • 気密・耐圧試験を行えること。
  • フロン系及びアルコール系作動流体のLHPへの封入設備を有していること。
  • 上記内容のうち、LHPの製造を行えることは必須とする。

T24-16.先進的熱防護システムの研究

技術分野 : 宇宙輸送分野
要素技術 : 熱防護システム基盤技術の獲得

背景:
大気中を高速で飛行すると、機体は高温となった空気からの加熱(=空力加熱)にさらされる。空力加熱が大きい場合には、機体表面に熱防護システム(Thermal Protection System, TPS)と呼ばれる特別な構造を配置し、機体を保護することが必要である。
米国のスペースシャトルの場合、2000秒程度をかけて大気圏再突入から着陸まで行うが、その間、機体先端での最大加熱率は500kW/m2程度となる。この加熱からアルミ合金の主構造を保護するために、カーボン/カーボン複合材やセラミックタイルなどのTPSが用いられてきた。
もし、スペースシャトルの条件を超えて、数MW/m2の空力加熱に対して数千秒間耐えるような先進的なTPSが実現できれば、機体の先端をより鋭くすることができ、滑空能力(進行方向や横の到達距離)を大幅に向上させることができる。
高い加熱に長時間耐え、容易な点検の後に何度でも繰り返し使用できるTPSは、次世代のスペースシャトル(地上と宇宙を往復する輸送システム)や、宇宙を経由して大陸間を高速で移動する輸送システムの実現において最大のハードルとなっている。

内容等:
優れたTPSを実現するためには、軽量で断熱性や耐熱性に優れた材料の技術とそれを組み合わせて構造体とする技術が必要となるが、本公募は主として材料に関する技術提案を求めるものである。
エアロゲルやカーボンフォーム(炭素発泡体,炭素多孔体)等の新しい材料とJAXAが持つ耐熱複合材や耐熱セラミックの技術と組み合わせてTPSとする研究や、より高い加熱に耐えられるTPSとしてJAXAで研究を進めている浸み出し冷却を応用したTPSを提案された材料を使って構成する研究を行う。
具体的な作業としては、材料の特性評価、TPSの設計解析・試験を行い、上で述べた将来の輸送システムへの適用可能性を明らかにする。

要件:

  • 耐熱材料に関する知識・技術を有すること。
  • 熱設計や構造設計の知識・技術を有すること。

T24-24.衝撃減衰効率が抜本的に良い衝撃絶縁技術

技術分野 : 宇宙輸送分野
要素技術 : 機構技術

背景:
ロケットは打上げにおけるステージ分離等の際に火工品を使用しており、作動時に高い衝撃を発生させる。火工品による分離時衝撃は衛星やロケット搭載機器に伝達するため、衛星やロケット自身の電子機器に高い衝撃耐性が必要とされており、その改善が望まれる。

内容等:
衝撃伝達経路の継手部にシートやワッシャ状の衝撃絶縁材を挿入するか、あるいは衝撃絶縁機構を装備することにより、衝撃伝達途中に大幅に衝撃を減衰させることが可能な技術提案を求める。
なお、ロケット質量のロスや構造剛性の低下を避けるため、できる限り軽量・高剛性で衝撃減衰効率のよい衝撃絶縁技術が必要である。

<成果目標>
  • 衝撃絶縁継手あるいは衝撃減衰機構の試作品完成
  • 衝撃試験(火工品試験、インパクト試験等)による衝撃絶縁性能の実証
  • 数値目標(衝撃伝達率0.1以下)の達成

要件:

  • 衝撃絶縁材あるいは衝撃絶縁機構に関する設計・製造技術を有すること。
  • 衝撃絶縁性能に関する評価試験ができること。
  • 上記内容のうち、試作品完成と衝撃絶縁性能の実証は必須とする。

T24-28.宇宙環境下における高精度かつ高出カリニアアクチュエータシステム

技術分野 : 電子部品、機構、材料
要素技術 : 機構・潤滑技術

背景:
マイクロメートルオーダーの高精度制御が可能な、小型かつ高出力といった特性を有するアクチュエータシステムは、構造の形状制御や宇宙用ロボット分野、観測系ミラーの高精度指向制御など多岐にわたる需要がある。地上の民生分野ではピエゾアクチュエータがこれらの要求を満たすものとして、開発利用されているが、宇宙利用を想定した時には、耐振動、衝撃特性を含めた宇宙環境下での信頼性が問題となる。一方で、耐衝撃性の低いピエゾセラミクスに対しても、高分子材などによる複合材化することで、耐衝撃、振動特性の改善が見込まれ、また弾性変形による変位拡大機構に組み込むことで、信頼性に優れた高出力アクチュエーションシステムの実現が見込まれる。

内容等:
高精度かつ高出力リニアアクチュエータに対する耐宇宙環境性を解決する技術提案を求める。

<成果目標>
  • 高精度、高出力リニアアクチュエータシステムの製作(2014年下期)
  • 1μm精度で500μm以上のストロークの実現。(2015年下期)
  • 変位拘束下で発生力20kgf以上の実現(2015年下期)
  • 20G(10~100Hz)、1000Gsrs(<3000Hz)の振動・衝撃に対する耐性評価(2016年上期)
  • 真空環境下での長期駆動耐性評価(2016年下期)

宇宙環境の中でも、ピエゾセラミクス材料自身の温度環境特性および放射線、陽子線に対する影響評価は検証しているので、アクチュエータシステムとしての耐振動・衝撃性の実現と真空環境での長期駆動耐性の点についての検証から行いたい。

要件:

  • ピエゾアクチュエータ開発の実績を有すること。
  • 真空・振動対策を行えること。
  • 高精度、高出力化に向けての機構開発技術を有すること。

T24-31.軽量高安全リチウムイオン電池

技術分野 : 電力
要素技術 : Li-ion 不燃性電解液技術(高安全電池)

背景:
研究開発本部電源グループでは宇宙用リチウムイオン電池の開発を行っている。リチウムイオン電池は従来のNi-Cd電池のようなアルカリ形に比べて軽量である等の特長がある一方で、過充電等による破裂発火等の危険性があり保護機能を設ける必要がある。今後有人宇宙活動の拡大に伴い、本質的により高安全な軽量リチウムイオン電池の開発が必要となっている。民生分野でも電気自動車用途等高安全対策の研究は進められているため、民生分野で得られた知見を活用して高安全二次電池の開発を効率的に行える。

内容等:
高安全・軽量リチウムイオン電池を実現し軌道上実証を可能とする技術提案を求める。

成果目標 及び 達成時期

  • 高安全・軽量リチウムイオン電池の詳細仕様(材料選定含む)策定(2013年度末まで)
    目標仕様:
    ①安全仕様:外部短絡(1mΩ),300%以上過充電状態で発煙・破裂・発火無し(保護機能無しで)
    ②エネルギー密度:150Wh/kg 以上(200Wh/kg目標)
    ③容量:1~5Ah
    ④充放電レート:通常1~2C*以内
    ⑤使用温度範囲:-10~+60℃
    ⑥使用環境:微小重力,常圧~高真空(10-6 Pa以下)環境,打上時の耐振動・衝撃
    ⑦要求寿命:100サイクル以上
    ⑧保管寿命:2年以上
  • 実証用電池の設計試作・評価(2014年度末まで)
  • 実証用電池の評価(継続)・実証用電池の製作(2015年度末まで)

*C:充放電レート
(例)1C:定格容量を1時間で充放電できる電流量
   0.5C:定格容量を2時間で充放電できる電流量

要件:

  • 電池の製造技術を有すること。
  • 保護機能無しで高安全な電池設計ができること。
  • 真空・振動対策を行えること。
  • 電池充放電制御技術・装置製作技術を有していること。
  • 上記内容のうち、高安全電池技術の解決は必須とする。

T25-1.電鋳ライナによる極軽量複合材燃料タンク

技術分野 : 衛星(共通)分野/要素技術/推進技術、航空分野/要素技術/複合材料技術
要素技術 : 複合材軽量タンク、先進複合材革新適用技術

背景:
軽量な複合材タンクは、ロケットや衛星の燃料タンクや気蓄器に使用されてきているが、現状では樹脂のマイクロクラックからの漏洩を防止するための内張り(ライナ)が不可欠である。衛星で使われているライナは剛性のある(厚肉)Ti合金製で、軽量化の面で不十分である。宇宙科学研究所では電鋳による極薄ライナの開発を進めてきた。しかしながら、飛翔体搭載タンクの開発までは至っていない。

内容等:
本テーマでは、室蘭工業大学で開発中の小型無人超音速機および宇宙科学研究所で検討中の小型月着陸実験機の燃料タンクをターゲットとし、そのフロントローディングとして、それぞれの仕様に合致した電鋳ライナ複合材タンクの試作を行うことを目標とする。燃料として、小型無人超音速機はバイオエタノール、小型月着陸実験機はヒドラジン/四酸化二窒素を使用するが、どちらも腐食性の常温液体である。

<成果目標 および 達成時期>
○小型無人超音速機バイオエタノールタンクの仕様に合致した電鋳ライナ複合材タンクの試作
  • 達成時期:2014年下期まで
  • 概略仕様:φ230×L500、2MPa (検討中の実機仕様の長さのみ縮小モデル)
           内容物 バイオエタノール
○小型月着陸実験機ヒドラジン/四酸化二窒素タンクに合致した電鋳ライナ複合材タンクの試作
  • 達成時期:2015年下期まで
  • 概略仕様:隔壁を有する燃料/酸化剤一体型タンク
           φ850×L1000、4.9MPa (検討中の実機仕様の長さのみ縮小モデル)
           内容物 ヒドラジンおよび四酸化二窒素

宇宙科学研究所は、すでに電鋳による極薄ライナの開発には成功している。本技術課題では、このライナを用いた飛翔体搭載型タンクとしてのフィージビリティを確立することを目的とする。

要件:

  • ピンホールのない極薄ライナ電鋳に関する技術を有すること。
  • 小型無人超音速実験機・小型月着陸実験機のプロジェクトメンバーとして共同チームに参画し、チーム内で、搭載型タンクのフィージビリティに必要な技術項目を議論できること。

T25-3.非鉄芯コイル型スロットレスブラシレスモーターを10万回転以上で運転する出力2kw以上の高効率インバーター回路システム

技術分野 : 衛星共通基盤技術
要素技術 : 化学推進系

背景:
研究開発本部推進系グループでは、スラスタの推薬供給システムを加圧ガス式から電力を用いて加圧する方式に変更する試作研究を行っているが、試作した電動ポンプを駆動する回路(インバーター回路)の入手が弊害となっている。小流量(水換算で4~2 l /min程度)の遠心高圧ポンプの実現には、毎分10万回転以上の高速回転を実現するポンプとモーターが必要であるが、宇宙空間での冷却を考慮すると90%以上のモーター効率が必要であり軸の回転をエンコーダーで計測し、その回転角度に沿った駆動電力をモーターに供給する必要がある。近年、民生分野では電動モーターを90%を越えて運転できる高効率インバーターの技術の進歩が目覚ましいため、これを活用して10万回転を越えて2kw以上の軸出力を出すスロットレスブラシレスモーターを90%以上の高効率で運転制御することで人工衛星用推進系の電力による推薬供給の実現性の向上が見込める。

内容等:
スロットレスブラシレスモーターを高速回転させる高効率インバーターに対する高効率化、高周波数化、高電力化を解決する技術提案を求める。

<成果目標 および 達成時期>
  • 高速・高効率・高電力モーターを駆動するインバーター技術の確立。(2016年上期まで)
  • 数値目標12万回転、モーター効率90%以上で駆動できるインバーター回路。(2015年上期)
  • 環境性能 インバーター回路の稼働温度0℃~100℃程度、周囲環境 常圧~真空。(2015年上期)
  • 耐推薬性を有する高効率高圧電動ポンプ技術の試験実証。(2016年上期)

市販PMモーターを用いた分離型ポンプによる8万回転(吐出圧3MPa)までの実液での技術実証は実施済であるので、10万回転を越える高圧(7MPa)の実証を行いたい。また、現在試作中の一体型中圧(3MPa)電動ポンプにも適用していきたい。

要件:

  • 商用200V規格に準拠し、推薬との適合性のある非鉄芯コイル型スロットレスブラシレスモーターを使用した電動モーターポンプと連携できること。
  • オフガスが出ないこと。低発熱として、廃熱量の低減を考慮のこと。
  • 高効率インバーターに関する設計技術・製造設備・試験設備を有すること。
  • 磁気エンコーダーによるフィードバック制御技術を有していること。
  • 上記内容のうち、12万回転の高速エンコーダー情報の処理、制御出力演算技術の解決は必須とする。

T25-4.酸化セリウム薄膜による紫外線遮蔽コーティングの実用的ロールトゥロールスパッタリング成膜技術

技術分野 : 部品、機構・材料
要素技術 : 材料技術

背景:
宇宙機で用いる材料、特に有機材料は太陽光紫外線の影響を受け、軌道上で変質することが知られている。その結果、光学的特性が所期の特性から変化してしまい、システムあるいはミッションへの影響が生じるため、対策が必要とされている。
衛星の放熱面には、太陽光反射率が高く、かつ、赤外放射率が高い「OSR」(Optical Solar Reflector)が用いられることが多い。OSRには、ガラス薄板を用いた「リジッドOSR」と、プラスチックフィルムを用いた「フレキシブルOSR」がある。リジッドOSRは高性能である反面、高価であり、また、ガラス薄板であるためハンドリングが難しく、施工性が極めて悪いという特徴がある。一方、フレキシブルOSRは、性能はやや低いものの、安価である上、ハンドリングが容易なため施工性が良い、という特徴を持つ。
フレキシブルOSRには宇宙用認定材料がある。この材料は「ポリエーテルイミド」というプラスチックを用いたフィルムであり、最表面には、酸化セリウム薄膜の紫外線遮蔽コーティングが施され、耐紫外線性が確保されている。これまで、国際宇宙ステーション利用材料曝露実験などに供し、軌道上で十分な耐紫外線性を有することを実証済みである。しかし、残念ながら、H25年7月現在、入手できない状況にある。代替材料として、米国メーカの銀蒸着テフロン(R)フィルムが用いられているが、それは耐放射線性に課題があることがわかっている。
そこで、JAXA研究開発本部において、ポリエーテルイミド製フレキシブルOSRの復活を念頭に置いて、RFスパッタリングによる酸化セリウム薄膜の成膜技術の研究を進め、焼結体ターゲットを用いた成膜を実現してきた。その活動を通じて、酸化セリウム成膜プロセスには、大きな技術課題があることを明らかとした。それは、膜堆積速度が遅いため加工時間が長時間になってしまうことである。このことは、実用化への大きな障壁になるため、解決する必要がある。
紫外線遮蔽コーティングが、フレキシブルOSRのみならず、太陽光紫外線の影響を受ける宇宙機用有機材料に幅広く適用することができるようになれば、任意の実用材料に耐紫外線性を付与し、劣化低減すなわち長寿命化に寄与すると期待される。多種の実用材料に適用するためには、1,000mm幅のロールトゥロールプロセス実現が必要である。

内容等:
酸化セリウム薄膜紫外線遮蔽コーティング成膜技術を実用レベルに到達するための技術提案を求める。具体的には、次のとおり。

<成果目標 および 達成時期>
  • 1,000mm幅以上のポリエーテルイミドフィルム等へのロールトゥロール成膜加工の実現(2015年度上期までの実現を目標とする)
  • 成膜レートの向上(2015年度中の実現を目標とする):これまでの試作では、成膜厚さ100nmのときにロール送り速度1.5cm/min程度であった。目標値は、2倍以上(成膜厚さ100nm時にロール送り速度3cm/min以上)とする。
  • RFスパッタリングによらない施工法の開発

500mm幅までのRFスパッタリングロールトゥロール成膜加工は実現済みであるので、1,000mm幅以上までのスケールアップ及び成膜レートの向上によるプロセス時間の短縮化を実現したい。

要件:

  • ロールトゥロールRFスパッタリング成膜設備及び技術を有すること。
  • スパッタリング成膜法の改良を行うことができる技術を有すること。
  • 上記内容のうち、1,000mm幅以上のロールトゥロール成膜プロセス実現と、成膜レートの向上は必須とする。
  • なお、耐紫外線性評価については、JAXA側が担当する。

T25-5.国際宇宙ステーション「きぼう」船内用 監視・清掃ロボット

技術分野 : ロボット技術
要素技術 : 遠隔操作、壁面移動、遠隔撮影、無人清掃

背景:
国際宇宙ステーション(ISS)では、宇宙実験の他、人の介在が必要な数々の作業を宇宙飛行士が行っているが、その中には清掃などの単純作業が含まれている。宇宙飛行士の作業負担を軽減するとともに、限られた活動時間をより高度な作業に集中させるために、単純作業はロボットや装置が宇宙飛行士の代わりに実施することが望ましい。
JAXAではロボットや装置に代替させたい単純作業のニーズの識別を行い、ニーズ共通的に要求される基本機能を有する「移動型監視ロボット」と、代替効果が高いと想定される「清掃用ロボット・装置」を有人支援ロボットの技術実証の対象として設定した。

提案要請:
国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」船内で利用可能な、①移動型監視ロボット と ②清掃用ロボット・装置 をそれぞれ実現する技術提案を求める。(提案には①と②の両方を含めること。)

<成果目標及び達成時期>
移動型監視ロボット、清掃用ロボットに必要な要素技術の確立、試作機の製作(2015年目標)
なお、ISSを使った軌道上実証は、本共同研究完了後、別途、フライトモデルを製作し、2017年に実施予定。)

技術要求:

①移動型監視ロボット

  • 微小重力環境であることを活かし、指定した位置に空間移動し、その場所に静止できること
  • 動力源はバッテリを基本とする。バッテリ残量低下時は充電器に自律的に移動し充電できること(充電器は、別途船内に設置する前提)
  • 地上から遠隔操作ができること(軌道上宇宙飛行士の支援を必要としないこと)
  • 撮影機能(動画・静止画)を有し、映像を地上に伝送できること
  • 機能拡張用のUSBポートや電源ポートを有すること

②清掃用ロボット・装置

  • 次の箇所の清掃ができること。ほこり除去、ふき取りといった用途に応じて複数のロボット・装置で構成してもよいが、台数は最小限とし、移動して清掃ができること。
      a) ほこり除去(吸引)
       [清掃箇所] 空調吸気口:約380×170mm、20か所
             空調送気口:約350×170㎜、20か所
             他のモジュールとの間の換気口:約600×270㎜、3か所
      b) ふき取り
       [清掃箇所] ハンドレール、ラップトップPC、ごみ箱等
  • 動力源はバッテリを基本とする。バッテリ残量低下時は充電器に自律的に移動し充電できること(充電器は、別途船内に設置する前提)
  • 地上から遠隔操作ができること(軌道上宇宙飛行士の支援を必要としないこと)
  • 撮影機能(動画・静止画)を有し、映像を地上に伝送できること

要件:
上記内容の、①・②の機能を有するロボットや装置を立案し、必要な技術要素を識別してロボットや装置の設計・製作ができること。

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