※平成21年3月5日(木)、グランドプリンスホテル赤坂にて、標記シンポジウムが開催されました。ここでは、当日の講演とパネルディスカッションの模様をダイジェストでお伝えし、同時に「ビデオポッドキャスト」で映像記録をお届けします。また、当日講演者が使用した資料も閲覧できるようになりました。あわせてご活用ください。
※「ビデオポッドキャスト」は、ブロードバンド接続されたお手元のパソコン(や携帯プレーヤー)に、音楽・音声や映像ファイルをお届けする手法です。代表的なソフトウェアはApple社のiTunes(無料ソフト)ですが、それ以外のソフトウェアを用いることもできます。すでにiTunesをお持ちの場合は、下のバナー画像をドラッグ&ドロップしていただくと、自動的にiTunesへのダウンロードが始まります。
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日時: 2009年3月5日(木) 13:30縲鰀17:35
会場: グランドプリンスホテル赤坂 新館2Fクリスタルパレス
主催: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
後援: 宇宙開発戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省、(社)日本経済団体連合会
協力: 日本経済新聞社
下記インデックスのタイトルをクリックしていただくと、該当する記事の先頭に移動します。
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JAXAでは、宇宙開発を国民生活や社会に役立てるための一つの目的として産学官連携を図り、産業化を推進すべく活動しています。今回は、宇宙基本法の流れを受けて、今後の宇宙開発にかかわる産学官連携を考える礎とすべく、JAXA産学官連携シンポジウムを開催しました。本シンポジウムでの議論をJAXA宇宙技術の産業化に向けた活動に役立てたいと考えています。
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昨年8月に施行された宇宙基本法において重要な柱の一つは宇宙産業の振興です。宇宙開発戦略本部のリーダーシップの下、文部科学省としても関係省庁と連携して強力にバックアップしていきたいと考えています。本シンポジウムにおいて活発な議論がなされることにより、産業界や大学、JAXA等が持つ底力が結集され、我が国の宇宙開発利用が更なる発展を遂げることを心より祈念しています。
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※プレゼン資料閲覧は左のpdfアイコンをクリックしてください。
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○宇宙基本法の背景と概要
宇宙基本法成立に伴い、新しい時代に向けて一般の宇宙への関心が高まってきました。この基本法の成立には3つの背景があります。
(1)研究開発主導型から利用ニーズ主導型の宇宙開発への転換
これまでの宇宙開発はJAXAが中核となって研究開発主導型で進められてきましたが、宇宙戦略本部を司令塔として、霞が関全体、宇宙産業全体、学会によるオールジャパンで進めていくことが求められています。
(2)安全保障に資する宇宙開発利用
昭和44年の国会決議において宇宙利用は「非軍事」に限定するという解釈がなされて以降、宇宙利用は非常に限定的に行われてきました。一方、安全保障分野で宇宙利用が急速に進んでいます。今回の宇宙基本法では、安全保障への宇宙利用による貢献が真正面から認められたところが画期的です。
(3)わが国の宇宙産業の国際競争力の強化
日本は世界一流の技術があるにもかかわらず、競争力が伴わない現状にあります。宇宙産業は国家の宇宙開発を支える基盤であり、国際競争力確保のための施策展開が必要になってきていました。
宇宙基本法では「6つの基本理念」「11の基本施策」、「政策の総合的推進」が謳われています。政策の総合的推進については、宇宙戦略本部が設置され、本部のミッションとして、宇宙基本計画の作成、JAXA行政組織のあり方等に係る検討、宇宙活動法の整備を進めているところです。宇宙基本計画は今年5月に発表予定となっています。
○わが国宇宙産業の現状
宇宙産業の4つの現状に懸念と課題があります。
(1)宇宙産業の規模
全体では6兆円規模ですがが、基盤となる宇宙機器産業の規模が小さい。衛星システムの多くは外国製で、技術は優れていてもコスト・効率性における課題が大きく横たわっています。
(2)宇宙産業の規模が縮小傾向
宇宙機器産業の売上高、人員ともに95年のピークから3縲怩S割減少しています。
予算も2002年から減少傾向にありましたが、2009年度予算は厳しい財政状況の中で10%増を確保することができました。
(3)世界全体からみた日本の宇宙開発・利用の位置づけ
米国の調査会社によると日本の宇宙開発・利用は世界で7位であり、中国、インド、カナダの後塵に拝する状況です。予算が複数省庁に分散されていて、日本として総合的な宇宙政策や目標及びプロジェクトに向けた連携が足りていないことが要因とされています。
(4)世界の宇宙産業の現状
米国・欧州の宇宙産業と比較して、日本の宇宙機器産業は、規模は米国の1/20、欧州の1/3であり、また官需の比率が高い状態です(官需92%、民需8%)。
予算規模から見ても、日本はまだまだ小さく、この状況の打開が急務です。
○宇宙基本計画の基本的な方向性について
宇宙基本計画の中間的なものとして、昨年12月に5つの基本的な方向性を整理しました。
(1)宇宙を地上の豊かさ・安心・安全につなげる
(2)宇宙を活用した安全保障の強化
(3)宇宙外交の推進
(4)21世紀の戦略的産業の育成
(5)人類の夢、次世代への投資
○産業振興に関する基本的な考え方
宇宙機器産業の発展のためには、宇宙利用サービス産業の発展が必要であり、相互に発展する関係であるべきです。また、ユーザー産業にも宇宙利用を拡大する必要があるでしょう。
この観点から、国際市場への展開を産学官が連携して進めていかなくてはなりません。
このために、技術力強化は当然のこととして、シリーズ化を含め中長期の需要見通しを示すことが基本計画の役割と考えています。さらに、トップセールスについても真正面から進めていくことを模索しています。
○今後のスケジュール
これまでの宇宙開発利用に対するJAXAの活動に加え、新しい利用あるいは産業振興の役割においてもJAXAに大きく期待しています。
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なぜ今われわれにとって宇宙が重要なのか。
大局的かつ総合的な視点から話をすすめていきます。
人間は日常主体的に生きているつもりですが、実際は「環境の子」であって、ある時代のテーマや文明、技術の大きなうねりの中にさらされています。この前提に基づいて、米国のグリーン・ニューディールとIT革命を切り口に宇宙の話に結び付けて考えてみます。
○オバマ大統領の掲げるグリーン・ニューディールは成功するか。
グリーン・ニューディールでは、2007年の米国のエネルギー供給構造は太陽エネルギー0.1、風力0.4、バイオマス5.0%という状況下、2012年にこれらを現状の倍に、2050年には25%という目標を掲げていますが、日本のエネルギー技術の専門家の多くは実現に否定的です。本当に難しく、可能性はないでしょうか。
1980年代後半の米国は現在と似たような状況にありました。ベトナムシンドロームに85年のプラザ合意による極端な円高。アメリカという国はもうダメだというアメリカ衰亡論がアメリカ論の定番となっていました。
しかし90年代に入って、米国は「IT革命」により蘇りました。IT革命のシンボルであるインターネットは、冷戦時代に軍事目的で生まれた開放形・分散系情報ネットワーク技術が基盤技術となり、1993年の商業ネットワークとアーパネットのリンクをきっかけに、わずか16年で猫も杓子もインターネットという時代が来て、ユビキタスやクラウドコンピューティング、次世代ICTが議論されるまでになりました。
IT革命の本質は「開放系・分散系」という情報ネットワーク技術革命と「軍民転換」という軍事技術のパラダイム転換にあります。
90年代のアメリカは、シリコンバレー伝説を経てIPOを待つような有望プロジェクトが雨後の筍のように育ち、世界中の投資、技術、人材を引き寄せて、アメリカの流れを大きく変えていくシナリオを作り出したと言えるでしょう。
現在の金融ビジネスモデルもその延長線上にあります。軍事産業に集中していた理系の優秀な頭脳が軍民転換で、金融工学と情報技術に流れたゆえに、ITとFTのドッキングが起こり、歪んだ形で頭でっかちな資本主義を生み出したわけです。
その結果、イラクとサブプライムの壁で不況を呼ぶことになったのですが、アメリカという国は産業の新しいパラダイムをつくり上げる、大きななうねりを作る、いわば物語をつくる力があることは間違いありません。
オバマ大統領のグリーン・ニューディールがIT革命に相当するうねりをつくることができるかどうか、その行方は日本の産業人にとって非常に大きな意味をもちます。たとえば、先の目標を達成するためには、小型分散型発電には限界があるとされていますが、「電気自動車(EV)」と「再生可能エネルギー」が結びつけば大きな物語の変換が生まれるかもしれないという発想が必要でしょう。ここでアメリカが再び試されているのは「総合エンジニアリング力」ではないかと考えられます。
○総合エンジニアリング力と日本
総合エンジニアリング力とは、個別の要素を組み合わせて、問題を解決していくアプローチです。日本の場合、個別の要素を見ると、例えば技術基盤、人材の質、資金力は超一流のものを持っています。しかし、それを総合化して一つの問題を解決していくアプローチ、つまり全体最適をきちっと組み立てる構想力がありません。
皮肉にもアメリカはその逆で、世界中から人材、資金、技術を引き寄せ、総合戦略を描き出し、問題を解決し、プロジェクトを組み立てる力があります。
宇宙戦略が大きな展開を見せていると考えるのは、いままで各省庁がバラバラに実施してきたものをJAXAのような形で統合し、行政レベルで内閣府に宇宙開発戦略本部ができたというが非常に大きな理由です。しかも、ベースとなる宇宙基本法が海洋開発の基本法と並んで超党派の議員立法でできたということは、政治がガバナンスを失いつつある中で大きな意味をもつと思います。
日本人は自国を国土の狭い資源小国といいますが、一方で世界に冠たる海洋国家です。領海と排他的経済水域を含めると世界6位の面積であり、世界に冠たる資源大国と言えなくはないのです。エネルギー資源に関してはもっと足元を見つめる必要があります。今後世界の人口は92億人まで伸びるとされており、資源ナショナリズムに向き合わざるを得ません。その際に海洋資源開発は必須ですが、宇宙開発は必需です。
海洋資源開発には正確な位置測定が必要ですが、現在のGPS技術は米国に依存している側面があります。ところがそれは角度が浅く、厳密には不正確なものです。準天頂衛星等により日本の位置測定技術を高度化し、GPSの精度を高めておくことは重要です。
必要は発明の母と言いますが、宇宙開発のプロセスの中で情報通信技術を高度化させIT革命に重大なインパクトを与えたように、宇宙開発との相関で産業技術が進化した部分に着目されがちですが、逆に産業技術との相関で宇宙開発が進化するという相関関係をしっかり認識すべきではないでしょうか。
そこで、日本の国際関係においても宇宙開発が非常に重要になってきています。宇宙開発でも韓国の衛星をH2Aで打ち上げる、シンガポール・台湾の通信衛星を日本の技術で製造するという流れが起きていますが、実は今大変なチャンスと言えるでしょう。この世界不況の影響もあり、韓国、台湾ではデスバレーに漂うプロジェクトが多数あり、日本の技術力、資金力そして総合エンジニアリング力への期待が高まっています。また、米国がグリーンニューディールを深耕すると、日本の産業ポテンシャルに依存する状況になる可能性があり、宇宙分野のGXロケットの例もあるように、日米産業連携を作る転換点に来ています。
最後に現下の財政状況で宇宙開発のバードゥンを果たすために、日本創生ファンドのような海洋、宇宙等ターゲットを明確にしたファイナンシャル・エンジニアリングの構想を含めた総合エンジニアリング力が、いまの宇宙開発には必要ではないかと考えます。
(文責:JAXA産学官連携シンポジウム事務局)
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経団連では、政府において5月を目処に策定されている宇宙基本計画に対して、産業界の考え方を反映させるため、2月17日付けで「戦略的宇宙基本計画の策定と実効ある推進体制の整備を求める」という提言をまとめました。
提言の原案は経団連の宇宙開発利用推進委員会において策定したもので、本日のパネルディスカッションに参加いただいているような産業界の方々の意見を反映したものになります。今日はこの提言のポイントを説明させていただきたいと思います。
○戦略的宇宙開発の重要性
これまで我が国の宇宙開発は宇宙開発自体が目的でなされてきた傾向ありましたが宇宙開発はむしろ様々な政策目標を達成するための手段であることを訴えています。
宇宙産業は宇宙機器産業だけで見れば二千数百億程度と他産業と比べると非常に小さい規模ですが、利用産業等を含めた広い意味での産業は6兆円を超える規模があり、これからますます重要になると思います。
○予算
宇宙予算は一時期の三千億円レベルをピークにして、そのあと二千五百億円ぐらいまでダウンするなど厳しい状況にありました。ここ数年、ようやく下げ止まり、2009年度の政府の宇宙関連予算の10%増は明るい兆しと言えますが、一過性のことではなく今後もさらなる拡充が図られることを期待しています。
○基盤強化
厳しい財政状況下、企業として設備、人材、技術等の基盤強化の下支えを政府に積極的に担って欲しいと考えます。
○安全保障・衛星調達合意
日本の宇宙開発は1969年の平和利用目的に係る国会決議、1990年の日米の衛星調達協定といった制約を受けてきました。
90年の日米衛星調達協定については、経団連としても繰り返し見直しを訴えてきたが、この際、ぜひ抜本的に見直し、廃止してほしいと思います。
安全保障の分野では、これまでの平和利用決議に基づく「一般化原則」の制約がありました。この制約は宇宙基本法により取り払われることから、同分野における宇宙技術の活用を期待しています。特に防衛省が専用衛星を保有できるようになったので、どのような衛星を持つのかなど、ぜひ検討していただきたいところです。
○計画性
基本計画の性格付けとして、何が大事ということだけではなく、防衛の中期防のように予算、調達の計画を示すものとしてほしいと考えます。また、産業の基盤強化のために特にアンカー・テナンシー(政府調達制度)をしっかりとやっていただきたい。できれば、打ち上げ機会を現行の2倍ぐらいになると良いと考えます。
○トップセールス
海外受注については、民間の努力だけでは限界があることから、国策として首脳レベルでのトップセールスを期待します。さらに首脳だけではなく、相手国と常に緊密な連携を保つための在外公館レベルでの支援も大事になってくるはずです。
○官民連携と利用拡大
官民連携において官の役割としてお願いしたいのは技術実証である。技術実証というのは、システムまでを含んでいます。たとえば「準天頂衛星」のように一基だけでなくて三基でシステムが完成するようなものについては、システム実証までを、官にしっかりやっていただくことが大切です。
宇宙利用の拡大についても、あくまで開発・実証した結果として利用の拡大があると考えています。最大の利用主体は官であり、通信や放送の分野においても国としてまだまだ技術開発を進めてもらいたいと考えます。
○外交
宇宙基本法の中で宇宙外交というものが位置づけられたことから、外交分野においても、特に途上国等を対象にして宇宙を活用することができると考えます。例えば、ODAを利用して、地上インフラが遅れていて、宇宙からのインフラ整備が効果的であるといった国については、宇宙を使って貢献していくことも可能なのではないでしょうか。
○体制の整備
提言の名称にもあるとおり、「実効ある推進体制の整備」を求めています。
特に宇宙戦略本部の機能強化をするため、一つのアイデアとして、本部の特別予算枠を提案しています。例えば、各省庁個別では予算を取りにくいなどのプロジェクトがあった場合、そうしたプロジェクトを当該省庁と連携して進めていくための予算枠で、既存のプロジェクトのサポートにもなりますし、新しいプロジェクトの頭出しにも使えます。
宇宙関係機関の見直しについては、開発から利用という流れを重視し、JAXAと経済産業省や国土交通省あるいは防衛省といったユーザ官庁との連携を広く深く、共管といったものにまで強化していただきたいと考えます。
いずれにしても産業界としては、宇宙開発利用は国家戦略として国主導のもので進め、民間はその成果を利用してビジネス化していくことが重要と考えています。
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宇宙基本法の流れを受けて宇宙産業育成の重要性が高まってきました。そのうえで、JAXAとして何ができるか、どのように貢献するのかについて発表したいと思います。
○JAXAのこれまでの産業連携の取り組み
JAXAのこれまでの産業連携に関する取り組みとして、プロジェクトを通じた連携、すそ野拡大に向けた取り組み、知的財産の活用と施設設備供用などが挙げられます。
プロジェクトを通じた連携で代表的なものは、一昨年、H2Aロケットの打上げを民間の三菱重工へ移転したこと。移管後も、JAXAは打ち上げ安全確保業務とキー技術等の維持向上を担い、連携を継続しています。H2Bロケットについては開発段階から三菱重工と連携し、共同開発を行っています。
衛星開発を通じた連携としては、JAXA衛星の「きく8号」で培った衛星バスシステムが、三菱電機によってスーパーバード7やシンガポールや台湾等の民間需要層、海外需要層からの受注に成功しました。バスシステムだけでなく、コンポーネントレベルでも地球センサーやアポジエンジン等が海外受注に繋がっています。
さらにX線天文衛星センサーの空港の手荷物検査への応用、宇宙観測カメラ駆動技術の医療用顕微鏡への応用等、科学衛星を通じた連携でも成果をおさめています。宇宙ステーション計画を通じた連携では、「きぼう」の有償利用促進を行い、民間の間に入り、サービス向上に努めているところです。たんぱく質の結晶生成実験では筋ジフトロフィーに有効な化合物を発見し、宇宙発の医薬品の実用化も視界に入ってきました。
すそ野拡大に向けた連携としては、H2Aロケットの余剰スペースを活かした相乗り小型衛星施策を展開し、教育・人材育成への貢献を図っています。先般の「いぶき」打ち上げの際には、6機関の小型衛星を相乗りで打ち上げました。他にも、すそ野拡大施策としては、宇宙オープンラボやだいちの画像利用促進、JAXA宇宙ブランドなどの新しい宇宙ビジネス創出を狙った試みを行っています。また、JAXAには800件以上の特許があり、これらを活用した知的財産活用プログラムや保有施設設備の供用を実施しています。
○JAXAとしての新しい取り組み
「宇宙基本計画の基本的方向性」によると、宇宙基本法で求められているのは、宇宙産業を戦略的産業として育成し国際競争力を強化することです。そのために必要な施策として「計画的な調達」「宇宙機器のシリーズ化」「宇宙輸送手段の維持・発展」「税制・金融上の措置」「国際市場開拓」「技術基盤強化研究開発推進」が挙げられています。
宇宙産業の国際競争力強化のためには、これを念頭におきながら政府、産業界、関係機関、大学等、JAXAが一体となったオールジャパンでの取り組みが必要になります。JAXAはこの中で国の宇宙開発実施機関、研究開発機関としての役割を担うことができると考えています。
宇宙産業は、宇宙機器産業と宇宙利用サービス産業を軸として、さらに関連する産業としてユーザー産業で構成されています。JAXAはそれぞれの産業ごとに貢献策を考えています。
○宇宙機器産業への貢献
宇宙機器産業の国際競争力強化のためには世界トップレベルの技術力が欠かせません。JAXAは技術ロードマップ等の戦略・目標の共有、共同研究の推進、相乗り公募衛星施策等による宇宙実証機会の提供により、産業の技術力強化に貢献できると考えています。また、海外市場への参入にあたってはオールジャパンのチームによる市場開拓が必要になります。JAXAはその一員として総合的な宇宙システムやJAXA固有の海外宇宙機関との人的ネットワークの活用等により貢献することをめざします。
宇宙機器産業の基盤を強化するため、射場等インフラの確実な維持整備が重要になります。競争力強化には、企業の効率的な開発や生産の実現も不可欠です。JAXAとしては切れ目のない打ち上げや衛星のシリーズ化、人材確保のための周期的な新システム開発、信頼性向上などを計画しています。
○宇宙利用サービス産業への貢献
宇宙利用サービス産業の発展に対しては、市場拡大と経営基盤の安定化の面から貢献ができると考えています。
市場拡大については、新規宇宙利用の開拓や利用ニーズに応じた衛星開発・技術開発といった面から貢献することを考えています。
経営基盤の安定化については、官民デュアルユースや民間の衛星サービスの調達といった民間のリソースの活用を推進してゆくことを考えています
○ユーザー産業等への貢献
ユーザー産業に対しては、利用デモ実証や人材育成・教育による利用促進施策と新規宇宙ビジネス創出促進等によるすそ野拡大施策を展開してゆきます。ユーザー産業のすそ野を拡大することは宇宙利用サービス産業、宇宙機器産業に対しても需要増という形で貢献できると考えています。
○JAXAの役割を果たすために
以上のようなさまざまな貢献策は、現在政府で議論されている宇宙基本計画やJAXAの新しい役割が明確になった時点で具体化されてゆきますが、新しい取り組みを展開する上で、JAXAは産業連携体制を一層強化することにより、宇宙産業のみならず、政府・関連機関・大学等や地方自治体・中小企業との連携を深めてその役割を果たしたいと考えます。具体的には、現産学官連携部を発展的に産業連携センターとして改組し、プロジェクト・研究部と産業連携部門が一体となって産業連携施策を推進できる枠組みをつくっていきます。
JAXAはこれまでの発注者としての立場だけではなく、産業界のパートナーとして連携を深めることにより、日本の宇宙産業の発展に貢献してゆくことをめざします。
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●(室山・飯田)
宇宙基本法の理念として「産業振興」と並んで「国民生活の向上」「経済社会の発展」「世界の平和」「人類の福祉の向上」が掲げられておりますが、国家の宇宙戦略と宇宙産業の競争力は一体であること、また宇宙開発が宇宙産業だけでなく他の産業へ大きな波及効果をもたらすことから今、宇宙産業の育成について議論する必要があります。
1.日本の宇宙産業の状況
●米国の調査会社によると日本の宇宙開発の競争力は世界第7位。近年企業の研究開発分野の人員は減少傾向にあります。その状況認識を天気に例えて意見を伺いました。
●衛星メーカー(稲畑):「どんより⇒薄日」
何年も右肩下がりでどんよりとした雰囲気でしたが、昨年から今年にかけて商業衛星に参入して十数年の積み重ねの成果としてST-2を受注、また宇宙基本法が成立したことから先行きが少し見えてきました。しかしまだまだニュースになるようなことですから、これからが大切ですね。
●衛星メーカー(稲垣):「停滞前線を抜けてきたところ」
海外への輸出は10%~15%程度。現状ではコンポーネント、サブシステム主体での受注なので、衛星システム全体でとれるように鋭意努力しています。
●ロケット(淺田):「曇りから日差しが出てきた状態(+木枯らしの葉2枚)」
韓国の衛星を受注したことで光が見え始めてきましたが、材料・部品の供給メーカーの離散、エンジニアの離散が悩ましいところです。
ロケットはハイリスクローリターンな事業であり、そもそも国際競争できるレベルには到達していません。年間6~7機打上げという世界標準に対して、今年の打上げは1機。現状では官需に頼り、打ち上げ数は年によってばらつきがあります。部品メーカーはこの産業について来られません。ビジネスとして成り立つには日本の生産力を加味し年4機くらいコンスタントにほしく、官需に加えて商用衛星を受注することで安定的数を確保したいと思います。
●宇宙利用(神山):「三寒四温」
宇宙基本法の成立で春の兆しが見えてきたものの、まだ少し寒い、というのが実感です。
●宇宙利用(佐々木):「晴れ→くもり」
衛星を使った多チャンネル放送ビジネスと衛星通信事業を二本柱としていますが、衛星通信事業では地上系の代替サービスの充実により優位性が薄れてきています。今後の展開に期待します。
●(村山)全体を俯瞰して、宇宙産業の現状には次の問題点が挙げられます。
①市場規模が小さく官需依存だが予算は減少傾向。
②コスト面における地上系や海外メーカーとの競争力の欠如。
③日米衛星調達合意による産業への影響。
④日本の民生技術を活かしきれていない。
●(飯田)宇宙基本法は日本の宇宙政策のスタートでありゴールではありません。中身次第で生死を分ける、非常に難しく重要な局面にあると言えます。
2.打開策となるべき3つのテーマについて議論しました。
(1)総合司令塔 イニシアティブをどのように実現していくべきか
●(村山)宇宙産業は民間だけでは成り立たたず、国の下支えの上に産業が成り立つ構造です。国は、国家的目標の実現のために税金を使うのであり、司令塔を設け、その下に組織を作り、その目標を実現する形で宇宙産業を育成してゆかなければなりません。アメリカは軍事力でも宇宙技術でもナンバーワン、という国家目標に対し政府がお金を出してきました。
●(村山)日本も1990年代以前は放送、通信、気象のインフラを宇宙分野で揃え、自律的な宇宙展開をするという戦略があり、着実に進んでいましたが、その後十年間で日本の宇宙開発は迷い始めた感があります。
●(淺田)各国とも宇宙へのアクセス手段の確保に明確な戦略を持っています。アメリカは軍需により安定的な打上げ数を確保し、ヨーロッパは商業衛星で打上げ数を稼いでいます。
●(淺田)H-ⅡAはフォーミュラー1カーであり、高性能だが手間がかかるものです。衛星を宇宙に運ぶ運送業には、むしろトラックが必要。一方、高性能ロケットの開発によって技術者は育てられるもので、これらのバランスについて総合的な司令塔が方針・戦略を立てることが必要です。これまでは研究開発の比重が大きかったですから。
●(五味)日本は研究開発分野では一定の評価を得ており、ボチボチではあるが受注実績も後からついてきています。利用実証から実用への橋渡しは「死の谷」と呼ばれ難しい。そのため関係機関と(研究開発などの)最初の部分から、しっかり連携していくことが重要です。
●(五味)技術開発を伴うものは、すぐに売れるものが出来るわけではなく、まず「技術的にできる」段階を経て、量産、低コストといった段階へ続いてゆきます。我々は、ようやくその扉の前にいる段階にあるでしょう。
●(稲垣)衛星にとっても総合的な司令塔は絶対必要です。利用まで落とし込まれた宇宙開発基本計画がしっかり策定されると、これを利用・産業化する人が現れ、利用・商用機会が広がります。また、国と企業の研究開発を棲み分ければ二重投資を防ぐことができ、効率的な産業化を図ることができます。さらに、海外に衛星を持ってゆく際には、宇宙外交の顔となることが期待されます。
●(稲畑)スーパー301条(に由来する「90年日米衛星調達合意」)によって、国の非研究開発衛星は全て公開調達となり、それまでの開発から実用に向けての流れが断ち切られてしまいました。これからは、指令塔が中心となってこの状況を改善し、国が持つべきインフラや、中長期的にみて必要な技術開発が何かが示され、それに向かって国と企業が課題を解決してゆく、という流れが生まれることを期待します。
●(飯田)役所は基本的に仕事を分担し、お互いのことには口を出しません。研究開発は文部科学省、その後の産業化は経済産業省の管轄ということになりがちですが、産業化を政策の柱とするなら、完成品を受け渡す連携ではなく、研究の段階から中身にコミットし協働しなければなりません。
●(佐々木)従来はハード面の開発に注力されがちでしたが、宇宙を使ったサービスの育成にも注力願えると、持続的・自立的な総合力強化につながります。競争力強化には、利用産業などのすそ野の拡大がポイントです。司令塔には、機器と利用の両方を相関させた戦略の構築を期待したいところです。
●(神山)司令塔(宇宙開発戦略本部)には、官民の役割分担という観点から、宇宙開発事業と宇宙利用事業を分けて議論してほしいですね。官が主体となるべき「宇宙開発事業」においては、官が開発リスクを持ち、開発された技術の実証を踏まえ技術開発リスクを低減させ、技術の信頼性を向上させるのが役割です。民が主体となるべき「宇宙利用事業」においては、技術開発リスクが低減した「使える技術」「使って儲かる技術」を使い事業を行うこと。事業リスクは負うが技術開発リスクはおえません。 従って、「宇宙開発事業」は宇宙探査のような技術開発へのチャレンジを含め、民間ではリスクを持たず、国がやらなければならない分野だと思います。
(2)国際戦略
●(飯田、稲畑)産業界の理想はまず初号機を開発し、実証を重ねてビジネスに役立つことを証明した上で、国内外に売ってゆくことです。これまでのような初号機開発を繰り返すことによって宇宙産業を強化するシナリオは必ずしもうまくいっていません。国の事業として通信や放送衛星があり、鍛えられた企業が海外市場を開き、コストが下がるというサイクルを取り戻したいですね。
●(村山)スーパー301条(「90年日米衛星調達合意」)が実利用重視から研究開発重視の政策に変えてしまったことは産業に大きく影響を与えました。
●(稲畑)既存の市場は通信衛星と観測衛星であり、通信衛星市場では世界に通用する技術開発、実証が欠かせません。両方をメーカーが自力でやるのは限界があります。国が行うインフラ事業を糧としたいですね。アメリカは一国全体、ヨーロッパは複合体という大きな塊で動いています。アジアでも、日本がリーダーシップをとって気象衛星を共有したり、共同で整備するという方法も考えられるでしょう。
●(稲垣)国への要求は、軌道上実証機会の提供、先進的・信頼性のある技術開発の支援。また、コンポーネントを共通化することです。
●(五味)JAXAでは、照準とする開発目標と技術を定めるツールとして技術ロードマップを策定しています。これに産業界の意見も十分取り込んで官民が共通の認識と目標を持った上で、官民共同で先進技術・信頼性向上・低コスト化を目指してゆく考えです。
●(飯田)海外受注したことで、もう売れる状態だと錯覚に陥りがちですが、日本の衛星やロケットは実際のところどの程度世界市場に対応しているのでしょうか。また研究開発機関であるJAXAは商用化のためにあえて先進的技術を要求しない黒子に徹する覚悟も必要です。
●(五味)JAXAはすでに意識が変わっており、その覚悟はあります。
●(稲畑)DS2000(三菱電機の静止衛星用標準バス)がカバーするのは1.5~2tの中型衛星。世界需要は年8基程度です。日本(三菱)の世界での認知度は低く、商業衛星を本気でやるのかを疑問視され、RFPさえもらえない時期が長くありました。
●(稲畑、稲垣)日本の売りは太陽電池パドルやヒートパイプパネルなどの部品。パドルやパネルは世界の商業衛星の約半数に採用されています。競争力の源泉は丁寧に誠実に作った性能の良さでこれは実績でカバーしていきたい。一方の源泉であるコストについては機数でカバーする必要があります。機数については、世界市場においても国が顧客となる市場が最も大きく商業市場は氷山の一角であることから、やはり国の発注にも期待したいですね。
●(淺田)H-ⅡAは世界標準の衛星に能力が合致していません。種子島から打上げるH-ⅡAは28.5°の軌道傾斜角ができます。一方、殆どの商業衛星は、赤道上から打上げるアリアンに合わせ軌道傾斜角0°を想定しており、軌道変更に必要な燃料は積んでいません。このためH-ⅡAで打上げると(姿勢制御燃料が早く枯渇するため)寿命が縮むことになるのです。
H-ⅡAの打上げ能力は静止トランスファ軌道へ4tonですが、軌道変更をH-ⅡA側でカバーする場合、2.数tonまで低下します。この能力で対応できる衛星の需要は世界で年5基程度しかありません。
●(村山)アメリカや中国をはじめ世界の傾向として、軍民両用技術をいかに活用するかという流れがあります。宇宙は軍事目的、民生目的共に使えるため、両分野の技術の流れを良くし、共通する部品を量産してコストが下げられます。日本でもようやく宇宙の平和利用について議論がされ、軍民両用技術という言葉を口にできるようになってきました。
●(稲垣)安全保障という市場で技術を培い商用にもっていくことができればアメリカ、欧州、中国と同じ土俵に立てますね。
●(村山)安全保障に対しては日本独特の考え方があり世界の考え方とは異なります。宇宙開発利用には国民世論の支持が必須ですから、安全保障分野における宇宙利用については十分な議論が必要となるでしょう。
(3)バラエティに富んだ宇宙利用
●(神山)日本の技術も上がってきており、「だいち」(JAXAが開発した陸域観測技術衛星)は海外の衛星画像オペレーターにも競争相手として認識されてきています。
●(神山)米国の国家宇宙政策では各分野でどの省庁が何に対して責任を持つのかについてガイドラインが定められており、商業宇宙の分野では「官は民間サービスを最大限の調達し支援すること」と官民の役割が明確になっています。今後は、宇宙開発戦略本部を中心に各分野(Military. Civil、Commercial)において官民の役割分担を明確にすることが重要で、宇宙利用を拡大するためには官民の協業を推進するために商業宇宙分野における官民役割分担に関するガイドラインが必要です。
●(佐々木)通信衛星においても、ビジネスリスクの大きい宇宙利用拡大のイニシャル(裾野拡大)の部分やコストがかかるインフラビジネス的なところは官民協業で進めていきたいですね。
●(飯田)まだ具体的な商業利用用途のない衛星やセンサーの画像については初期需要を作るために安く画像を提供する、JAXAはそういった衛星開発をするという仕分けもあり得ます。いずれにせよ役割分担は官民で相当精緻に議論する必要があります。
●(神山)「だいち」の例のように日本の宇宙開発利用の基礎技術(シーズテクノロジー)は商業市場でも評価が上がってきています。近い将来日本の衛星を海外市場に売っていくということも十分考えられるでしょう。その際、販売や事業化に関してはおそらく民主導で進めるほうがうまくいくと思います。
●(村山)宇宙利用拡大の議論においては、官民連携の話も重要ですが、宇宙村の外にも目を向ける必要があります。まいど一号のように、宇宙の敷居を下げ、新たな参加を促して宇宙開発利用を活性化することもバラエティに富んだ宇宙利用には重要です。
3.フリーディスカッション
オールジャパン体制をどう作るか、どのような官民の体制、関わり、バランスが良いかについて自由討論を行いました。
●(淺田)欧州の例では、官(ESA)と民(アリアンスペース)が一体となって、宇宙産業の基盤(人材、機数、部品・材料)の維持に取り組んでいます。オールジャパン体制は、どうすれば商業衛星の受注が可能なロケットにできるか、を一緒に考える体制としたいですね。
●(稲畑)国の衛星インフラをどのようなものとしてゆくか、また製造メーカーの側からは何を作り整備してゆくのかを、海外で売れるものとしてゆく視点を含め、官民で明示し合える形が望ましいです。
●(稲垣)宇宙に夢や興味を持つ多様な分野の人が宇宙産業に加われるよう活性化が必要です。
●(稲垣)官民がいかに基礎技術を共有し、維持していくか、また、大学や中小企業の技術をいかに集めるかを考えるかが重要です。
●(稲垣)国際市場での現状を単に民間の自助努力に任せるということではなく、日本としてどうするべきか考えていく必要があります。
●(五味)日本人の感性、暮らし向き、文化、伝統といった日本らしいミッションが一番発揮できるのは有人飛行計画なのではないでしょうか。
●(稲畑)アメリカのように、宇宙を振興する力として(宇宙探査のような)宇宙に対する夢やあこがれといった部分と、(宇宙)ビジネス的な部分とのバランスがうまくとれている世の中になればと思っています。
●(神山)宇宙開発のビジョンが日本には欠けています。何か目標が立てば、それに必要なロケット、衛星、それを使った利用が出てくるものです。飽くまでロケット、衛星はその目標を達成するための手段であり、宇宙開発が目的ではないはず。静止軌道の位置や周波数も「資源」であり、これをいかに有効に開発して国民の福祉に役立てるか、という目標をしっかり立てるべきではないでしょうか。
●(淺田)宇宙機器分野からは、小型衛星による地球観測網(リアルタイムのgoogle earth)を提案します。
●(佐々木)利用分野からは、発展途上国に対して通信インフラを使ってODAを行うことを提案します。
●(五味)ニーズに基づく官民の分担という王道のアプローチに加え、まいど1号のように多様なプレーヤが参加し、多様な利用が出てくる側面からのアプローチも有効だと思います。
4.まとめ
これから先日本の宇宙産業を育成し、大きな旗を掲げ、あることを実現するために何が重要か、どのような方法や考え方が大切かをキーワードで示していただきました。
●(村山)「宇宙村からAll Japanへ」
宇宙基本法が成立したことを契機にいままでの価値観を崩し、すそ野を広げてより大きな基盤のもとで、宇宙を花咲かせてほしいです。
●(淺田)「皆さん、宇宙開発を『本気』でやりますか?」
すべての国民、国、政府関係者を含め皆に宇宙開発に本気で取り組むか確認したい。
今まではそうでなかったと感じています。本気で取り組むならもっと議論が必要です。
●(稲垣)「日本の強みを活かした日本らしい衛星開発」
産官連携を含め日本の強みを活かした日本らしい衛星開発が重要だと考えます。
●(稲畑)「所期奉公・立業貿易・処事光明」
宇宙事業の究極の目的は、仕事は国や社会から始まり(所期奉公)、グローバルな視点でとらえ(立業貿易)、技術を高め高信頼なものを作っていく(処事光明)という三菱の三綱領に帰着すると初心に帰り再認識しています。
●(神山)「ビジョンと覚悟」
かつてNASDAがもっていた「二トン級の静止衛星を静止軌道に確実に上げる」というような国家宇宙開発利用に関するビジョンをしっかり作っていくべきです。
また、宇宙基本法を受けた宇宙開発の実施において、宇宙開発戦略本部等の行政サイドは省益ではなく国益を追求する覚悟、民間は業界の合従連衡までを視野にいれた宇宙開発利用への覚悟をもって宇宙開発に取り組まないと日本の宇宙の未来は開けないと思います。
●(佐々木)「Value Chain Cycle(持続性)」
ロケット・衛星等の製品に衛星事業者等が付加価値を付けてエンドユーザーに提供することにより国民の利益、豊かな国が実現されます。このバリューチェーンを持続するためにこれまでよりも広いマクロな視点で官民連携や宇宙産業振興を描く段階にきていると考えます。
●(五味)「文明を進化させる宇宙活動」
経済危機等の社会変革時には必ず新しいものが出てきたり、新しい考え方やシステムが必要になってきます。この点において宇宙も国にとって非常に重要な項目の一つになると思います。
●(飯田)「『価値』と『成長』の追求」
目標なき戦略はない。また、成長なき産業は産業ではない。
(宇宙事業は)具体的に何を達成すべきかきちんと決めて対応すべきです。また産業がどのように成長するのか(育成するのか)についても戦略的に考えるべきでしょう。
●(室山)
国民や市民を含めた日本国全体のパートナーシップの中で、宇宙開発利用をどうするのかをちゃんと考える必要があります。パートナーシップを作りながら、我々が幸せに暮らせる日本という国、地球という惑星をどう作り上げるか、が問われていると強く感じました。
以上
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参加者、関係者、関係機関に対する感謝申し上げます。本日のシンポジウムにおけるご挨拶、講演者による貴重な話、パネルディスカッションにおける活発な議論等を踏まえ、産学官のそれぞれの立場でその力を十分に発揮いただき、オールジャパンで新しい宇宙時代を創造していかなければならないという思いを強くしました。
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