安全・信頼性ノウハウ・ツールの紹介
(Japanese) 品質工学ツール、
JIANT(Jaxa Integrator for ANalysis Tools)
(Japanese) JIANT(Jaxa Integrator for ANalysis Tools)とは、使われる環境や材料のばらつきを予め考慮して、安定して動作できるモノ作りを行うための品質工学ツールで既存のソフトウェアをJIANTに接続する形態で利用できます。
●JAXAでの使用例
(Japanese)
2018年度に、JAXAで開発中の火星衛星計画探査(MMX)の着陸シミュレーションに適用しました。この探査計画は、地球から遠く離れた火星衛星(ファボス等)に探査機を着陸させて様々な計測を行うのが目的です。火星衛星の環境は未知の部分が多く、写真で見る限りは地面が大きく凹凸した環境に見えます。そこで、地面の傾きや、探査機の姿勢など、想定される様々な状態を考慮し、どのような状態であっても93%の確率で火星衛星に着陸できる条件の算出を行いました。 しかし、現在の探査機の形では、地面がほぼ水平(±3.75度以下)を探さないと実現が困難であるという結果でした。地面が水平な場所を探して着陸するのは困難であるため、MMXでは地面の傾きが±10度程度であっても安定して着陸できる様にするために、太陽電池パドルを小さく、足を踏ん張ったダンゴの様な形に改良して対応する事にしました。これは、JIANTを使う事により、MMXの設計の改良に繋がった事例になります。
火星衛星探査機(MMX)の設計変更
●利用シーン
【次のような場合に利用可能です】
・ベンチャー企業でお使いのシミュレーションツールにJIANTを繋いで、最適解を算出する事
・表計算ソフト(Excel)等のシミュレーション(比較的簡単に利用できます。)