JAXA
Sessionsセッション紹介

地球低軌道環境観測衛星「てんこう」と「てんこう2」

奥山 圭一
日本大学 理工学部 航空宇宙工学科
開発中

概要

「てんこう2」は,「しんえん2」,「てんこう」の後継機であり,これらには宇宙線観測装置が搭載された.これらはNASAやESAの地球・宇宙観測ミッションに使用されたもので,「てんこう2」にも搭載予定である.「てんこう2」は,「てんこう」と同様に太陽や銀河から飛来する高エネルギー宇宙線,およびそれらと電離層との相互作用について観測予定で,ISSで観測したデータとの比較評価などを行う.また,高解像度カメラを搭載予定で,地球環境の光学観測も実施する.観測結果については,LEO開発だけでなく,将来の月・惑星探査に活用する

本技術で何が実現できるか

①高エネルギー荷電粒子および紫外線観測(「てんこう2」とISS観測結果の同時比較評価,高分子材料の劣化観察への活用,先進集積回路の宇宙環境耐性),③高解像度カメラ,④先進通信技術実証(C帯通信),⑤超小型機による深宇宙航行技術の進化

実現のキーとなる要素技術

①深宇宙航行が可能な超小型宇宙機,②深宇宙通信,③高エネルギー荷電粒子観測,④光学カメラを用いた地球観測,⑤宇宙天気予報,⑥高分子材料劣化観察

機器のスペック

てんこう2:6Uサイズ(10kg)

てんこう2は以下の衛星の後継機である.
てんこう:50㎝径準球形(25kg,地球周回)
しんえん2:50㎝径準球形(20kg,深宇宙航行)

機器のイメージ図

開発状況・計画

てんこう2:2022年度中にHTV-X初号機(H3初号機)で打上げ予定

てんこう:2018年H2A#40で打上げ(いぶき2相乗り)
しんえん2:2014年H2A#26で打上げ(はやぶさ2相乗り)

動画

講演資料


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