VR/ARを活用した宇宙教育
グリー株式会社開発本部XR事業開発部部長・原田考多氏(以下、原田氏):当社ではJ-SPARCに参加する以前より、「VR/AR」のビジネスについて取り組んでいました。取り組み始めた理由はシンプルで、VR/ARが、スマートフォンの次にみんなが持っているデバイスになるだろうと考えたためです。
VR/ARを含む「XRビジネス」に早い段階で取り組み、人々に行き渡るタイミングで良いサービスが提供できるように準備しておこうというのが、もともとの趣旨です。その中で、あえて宇宙というテーマを選択しました。XRは今存在しないものを擬似的に作り出す技術です。そういう意味で、宇宙というテーマが最適でした。
J-SPARCプロデューサー・神谷岳志(以下、神谷):今回のプロジェクトにおけるJAXAの狙いの一つが、将来の宇宙人材を生んでいく「宇宙教育」です。JAXAでも以前より、宇宙教育センターという部署を中心に、宇宙教育を進めてきました。特に、少し遠い宇宙だからこそリアルな体験で学ぶことは重要であり、XRの技術を使うことは新たなチャレンジです。
また、JAXAの月探査等の宇宙関連データの新たな利用を開拓する、という狙いもあります。XRのような成長分野において、初期から宇宙のデータ利用を組み込んでいくことで、市場の成長とともに利用がさらに拡大すると考えました。
そして、宇宙が持続的に使われていくことで、我々の生活が豊かになったり、普段の生活が少しでもわくわくするものになってほしいという思いがあります。