宇宙飛行が身近な未来
緒川氏:宇宙飛行には、サブオービタルとオービタルという二つの飛行形態があります。サブオービタルは、地上から打ち上げられ宇宙に到達しても、地球を周回せずに再び地上に降りてくる、いわばボールを空に投げて落ちてくるようなイメージの飛行です。一方のオービタルは、人工衛星のように、地上から打ち上げられ、地球の軌道を周回する飛行です。
弊社は、サブオービタル飛行で使用する機体:サブオービタル機について、10年にわたり研究を続けています。これが現在の事業の柱となります。そのサブオービタル機を用い、小型衛星を周回飛行(オービタル飛行)させる宇宙輸送も、我々の事業範囲に入ります。また、サブオービタル機を有人化させることで、一般の方が宇宙旅行に行けるようにすることも弊社の事業です。
弊社では、宇宙旅行が身近となる未来を見据え、旅客機と同じように、一般の空港から宇宙へ行ける、離着陸できるような仕組みにすることが、ユーザーフレンドリーだろうと考えています。
そうした考えから、これまでにない新しいコンセプトの機体開発をスタートしました。
そのキーとなるのが、ジェットエンジンとロケットエンジンを、一つのエンジン内で切り替えて使える仕組みの“ジェット/ロケット燃焼モード切替エンジン”です。現在、実証実験を進めているところなのですが、ロケットモードで飛行する速度:マッハ4の環境は簡単には作れません。その実験環境が整っているのが、JAXA 田口さんのグループです。