衛生を使うには

このページについて

このページは、はじめて宇宙利用にチャレンジする方や、
衛星データ利活用を考えている企業・個人の方向けのページです。

あくまでもスタンダードな宇宙利用までのプロセスをまとめているだけですので、
こちらのページを参考に、皆さんの状況に合わせて必要なところに問い合わせし、
最適なプロセスを構築してください。

宇宙利用の種類

宇宙利用するには、まず、下記の3通りの方法があります。
衛星利用のハードルは下がってきています。

利用目的、コスト、期間に見合ったものを選ぶことが大事です。
大きく分けて、3つの方法があります。検討を進めていく中で、
状況に合った方法を選択しましょう。

  1. 1 既存データを
    活用する

    既存の衛星とセンサーを
    使いデータを活用する

  2. 2 センサーを
    作る

    センサーだけを作り、
    相乗りサービスを利用する

  3. 3 衛星/センサーを
    作る

    衛星とセンサーを作る
    (発注して誰かに作ってもらう)

7つのプロセス

3通りの方法に合わせて、必要なプロセスが異なります。
こちらはそのプロセスをまとめたロードマップです。

1

要求整理

2-1

許認可等

2-2

衛星手配

2-3

ロケット・地上局手配

3

衛星運用

4

データ取得

5

廃棄

具体的な利用プロセス

活用方法毎の
詳細な利用プロセス

活用方法毎の
詳細な利用プロセス

1.要求整理

どのようなミッションを行うかを検討します。そのミッションによって、どのような課題解決へ導きたいか考えましょう。

各観測手段の特徴

衛星は数ある観測手段の一つです。衛星での観測が適しているもの、その他の手段での観測が適しているものを判断します。
地表面や環境の観測方法には、直接観測(IoTなど)と遠隔観測(リモートセンシング)があります。
リモートセンシング(リモセン)とは、対象物に直接触れることなく離れて観測することです。
リモセンで何かのデータを取得する時は、必要な解像度、測定範囲、頻度、用途などによって、適切な手法を選択します。

衛星によるデータ取得の主な特徴は以下の通りです。
・観測範囲が広い
・周期性(過去のデータを取得可能)
・越境性(世界中のデータを取得可能)
・抗堪性(地上の状況によらず撮影可能)

例えば、より細かい部分まで、または秒間隔での測定やリアルタイムにデータを取得したい場合などでは、衛星以外の手法が有用であることもあります。
参考記事:宙畑 衛星データもIoTの一つ?航空機・ドローンとの比較と事例紹介

目的の整理

衛星を利用することで、何年後にどんな世界を実現したいか、具体的に考えてみましょう。
その世界を実現するためには、何を測定しどのような解析をするべきでしょうか?
過去の衛星データ利活用事例を参考にしてイメージを膨らませましょう。
参考記事:宙畑 衛星データ活用事例別、ニーズを実現するために必要な衛星スペックと解析技術

取得するデータ仕様の整理

使用する衛星データを選んだり、センサや衛星を設計するために、必要な衛星データの仕様を整理しましょう。
まずは、観測したいモノ(森林、車、大気など)、地域、観測頻度、解像度を決めます。
どのようなセンサを用いて、どのようなデータが取得できるかについては、以下の記事が参考になります。
参考記事:宙畑 衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~
既存の衛星データを使う場合、条件に合う衛星データを探します。

自分で新たに作る場合、これらの情報から、衛星の大きさや軌道、地上局の場所やアンテナの大きさ、運用方法、使用する周波数帯などを決めていきます。「衛星手配」の項目で述べるように、衛星メーカーなどに相談するといいでしょう。

衛星データ取得の手段

衛星データ取得には様々な方法があります。
データを取得するセンサを自作し他の衛星や宇宙ステーションに載せることや、ゼロから衛星を作ることもできますが、コストやスピードの観点で考えると、一番ハードルが低いのは、すでに打上がって運用されている衛星のデータを活用することです。

Tellusはオープン&フリーな衛星データプラットフォームであり、衛星データの入門としてオススメです。また、衛星データの価格の概算については以下の記事で紹介されています。
参考記事:宙畑 日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望

一方、センサや衛星を自作するには、サイズやスペックによって費用は異なるものの、相応のコストと時間がかかります。

衛星データ利用・衛星開発のプレーヤー

とは言いつつも、何から手を付けたらいいかわからない方は、宇宙プレーヤーの先人から学びましょう。
以下の記事では、宇宙に関するビジネス事例が業界別でまとめられています。
参考記事:宙畑 宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業・銘柄、市場規模~
またJAXAが事務局を務める衛星地球観測コンソーシアムCONSEOは、産学官連携により、衛星開発から衛星データ利活用を推進するコンソーシアムで、多くのプレーヤーが参画しています。

1.要求整理

どのようなミッションを行うかを検討します。そのミッションによって、どのような課題解決へ導きたいか考えましょう。

各観測手段の特徴

衛星は数ある観測手段の一つです。衛星での観測が適しているもの、その他の手段での観測が適しているものを判断します。
地表面や環境の観測方法には、直接観測(IoTなど)と遠隔観測(リモートセンシング)があります。
リモートセンシング(リモセン)とは、対象物に直接触れることなく離れて観測することです。
リモセンで何かのデータを取得する時は、必要な解像度、測定範囲、頻度、用途などによって、適切な手法を選択します。

衛星によるデータ取得の主な特徴は以下の通りです。
・観測範囲が広い
・周期性(過去のデータを取得可能)
・越境性(世界中のデータを取得可能)
・抗堪性(地上の状況によらず撮影可能)

例えば、より細かい部分まで、または秒間隔での測定やリアルタイムにデータを取得したい場合などでは、衛星以外の手法が有用であることもあります。
参考記事:宙畑 衛星データもIoTの一つ?航空機・ドローンとの比較と事例紹介

目的の整理

衛星を利用することで、何年後にどんな世界を実現したいか、具体的に考えてみましょう。
その世界を実現するためには、何を測定しどのような解析をするべきでしょうか?
過去の衛星データ利活用事例を参考にしてイメージを膨らませましょう。
参考記事:宙畑 衛星データ活用事例別、ニーズを実現するために必要な衛星スペックと解析技術

取得するデータ仕様の整理

使用する衛星データを選んだり、センサや衛星を設計するために、必要な衛星データの仕様を整理しましょう。
まずは、観測したいモノ(森林、車、大気など)、地域、観測頻度、解像度を決めます。
どのようなセンサを用いて、どのようなデータが取得できるかについては、以下の記事が参考になります。
参考記事:宙畑 衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~
既存の衛星データを使う場合、条件に合う衛星データを探します。

自分で新たに作る場合、これらの情報から、衛星の大きさや軌道、地上局の場所やアンテナの大きさ、運用方法、使用する周波数帯などを決めていきます。「衛星手配」の項目で述べるように、衛星メーカーなどに相談するといいでしょう。

衛星データ取得の手段

衛星データ取得には様々な方法があります。
データを取得するセンサを自作し他の衛星や宇宙ステーションに載せることや、ゼロから衛星を作ることもできますが、コストやスピードの観点で考えると、一番ハードルが低いのは、すでに打上がって運用されている衛星のデータを活用することです。

Tellusはオープン&フリーな衛星データプラットフォームであり、衛星データの入門としてオススメです。また、衛星データの価格の概算については以下の記事で紹介されています。
参考記事:宙畑 日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望

一方、センサや衛星を自作するには、サイズやスペックによって費用は異なるものの、相応のコストと時間がかかります。

衛星データ利用・衛星開発のプレーヤー

とは言いつつも、何から手を付けたらいいかわからない方は、宇宙プレーヤーの先人から学びましょう。
以下の記事では、宇宙に関するビジネス事例が業界別でまとめられています。
参考記事:宙畑 宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業・銘柄、市場規模~
またJAXAが事務局を務める衛星地球観測コンソーシアムCONSEOは、産学官連携により、衛星開発から衛星データ利活用を推進するコンソーシアムで、多くのプレーヤーが参画しています。

2.許認可等

人工衛星やセンサーを利用するには許認可を取得する必要があります。取得までには数年かかるものもありますので、時間に余裕を持って関係省庁に相談にいきましょう。

衛星リモセン法(内閣府)

衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(通称:衛星リモセン法)に基づき、衛星リモートセンシング装置を使用するものは、「衛星リモートセンシング装置の使用許可」に関する申請を行い、事前に許可を取得する必要があります。
(主な対象:日本国内に所在する操作用無線設備を用いて衛星リモートセンシング装置の使用を行おうとする場合)
参考:内閣府「「衛星リモートセンシング装置使用許可」及び「衛星リモートセンシング記録取扱認定」に関する申請受付について

電波法(総務省)

衛星と地上間で無線による通信を行う人工衛星局または地球局(実験試験局を含む)を利用するためには、電波法関係法令に基づき手続きが必要です。
(主な対象:日本で衛星と地上間で通信する場合など)
参考:総務省「人工衛星局及び地球局の開設手続き

また、国際電気通信連合(ITU)の無線通信規則(RR)に基づき、国際周波数調整等を行う必要があります。
参考:総務省「周波数の国際調整について

3.衛星運用

計画したミッションを実施するためには、計画通りに衛星が稼動する必要があります。
衛星の運用には、健全性の確認やセンサの校正をするための初期運用、必要なデータを取得したり地上とやり取りするための定常運用などがあります。
データ取得については「データ取得」の項目で詳しく述べます。

初期運用

定常運用を始める準備を行います。ロケットから衛星を分離した後、衛星の電源、通信などの機能の健全性を確認した上で、各種センサを環境に合わせて校正します。

定常運用

計画してきたミッションの実施、つまりデータの取得、および衛星と地上局とのデータの送受信を行います。データ取得については「データ取得」の項目で詳しく述べます。
地上からは、衛星へ指示(コマンド)を出すために無線通信を行います。
逆に衛星からは、電圧や温度など衛星の基本的な情報(テレメトリ)を地上へ送り、衛星の状態に問題がないかを確認します。

メンテナンスとトラブルシュート

運用していく中で衛星の軌道がずれていくため、メンテナンスとして軌道を修正することがあります。

また機器不具合や緊急対応としてトラブルシュートを行うこともあります。具体的には、以下の事象や不具合が発生する可能性があります。
・デブリ回避、デブリ衝突
・誤操作(ヒューマンエラー)
・放射線等の宇宙環境に起因する機器誤動作
・経年劣化

廃棄運用

「廃棄」の項目で詳しく述べます。

4.データ取得

ミッションの実施です。いよいよ衛星から観測データを取得しましょう。

観測計画の立案

定めた目的や顧客からの要求に合わせて、観測するタイミングや頻度、観測エリア、観測モード(解像度など)を計画します。災害など緊急時には観測計画を変更し、緊急観測が行われることもあります。
例えば、JAXAの人工衛星ALOS-2の観測計画が公開されています。

ダウンリンク

衛星で観測されたデータを電波に乗せて地上に送信します。
衛星が地上局アンテナの上空を通っている間に、地上局とのデータのやり取りが行われます。
参考記事:宙畑 参入チャンス! 衛星を支える地上システムまとめ~構成、企業、法規制~

データの前処理

受信した電波を、画像など解析を行うためのデータ形式に変換し、歪みやノイズの除去など必要な補正を行います。
前処理を行うことで、利用者がデータを使えるようになります。
参考記事: 宙畑 【図解】衛星データの前処理とは~概要、レベル別の処理内容と解説~

データの提供

前処理を行ったデータを利用者に提供します。
衛星からは定常的にデータが送られてくるため、処理を行ったデータを随時、利用者に提供していくシステムの運用が求められます。
参考:JAXA 地球観測衛星データ提供システム G-Portal

1.要求整理

どのようなミッションを行うかを検討します。そのミッションによって、どのような課題解決へ導きたいか考えましょう。

各観測手段の特徴

衛星は数ある観測手段の一つです。衛星での観測が適しているもの、その他の手段での観測が適しているものを判断します。
地表面や環境の観測方法には、直接観測(IoTなど)と遠隔観測(リモートセンシング)があります。
リモートセンシング(リモセン)とは、対象物に直接触れることなく離れて観測することです。
リモセンで何かのデータを取得する時は、必要な解像度、測定範囲、頻度、用途などによって、適切な手法を選択します。

衛星によるデータ取得の主な特徴は以下の通りです。
・観測範囲が広い
・周期性(過去のデータを取得可能)
・越境性(世界中のデータを取得可能)
・抗堪性(地上の状況によらず撮影可能)

例えば、より細かい部分まで、または秒間隔での測定やリアルタイムにデータを取得したい場合などでは、衛星以外の手法が有用であることもあります。
参考記事:宙畑 衛星データもIoTの一つ?航空機・ドローンとの比較と事例紹介

目的の整理

衛星を利用することで、何年後にどんな世界を実現したいか、具体的に考えてみましょう。
その世界を実現するためには、何を測定しどのような解析をするべきでしょうか?
過去の衛星データ利活用事例を参考にしてイメージを膨らませましょう。
参考記事:宙畑 衛星データ活用事例別、ニーズを実現するために必要な衛星スペックと解析技術

取得するデータ仕様の整理

使用する衛星データを選んだり、センサや衛星を設計するために、必要な衛星データの仕様を整理しましょう。
まずは、観測したいモノ(森林、車、大気など)、地域、観測頻度、解像度を決めます。
どのようなセンサを用いて、どのようなデータが取得できるかについては、以下の記事が参考になります。
参考記事:宙畑 衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~
既存の衛星データを使う場合、条件に合う衛星データを探します。

自分で新たに作る場合、これらの情報から、衛星の大きさや軌道、地上局の場所やアンテナの大きさ、運用方法、使用する周波数帯などを決めていきます。「衛星手配」の項目で述べるように、衛星メーカーなどに相談するといいでしょう。

衛星データ取得の手段

衛星データ取得には様々な方法があります。
データを取得するセンサを自作し他の衛星や宇宙ステーションに載せることや、ゼロから衛星を作ることもできますが、コストやスピードの観点で考えると、一番ハードルが低いのは、すでに打上がって運用されている衛星のデータを活用することです。

Tellusはオープン&フリーな衛星データプラットフォームであり、衛星データの入門としてオススメです。また、衛星データの価格の概算については以下の記事で紹介されています。
参考記事:宙畑 日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望

一方、センサや衛星を自作するには、サイズやスペックによって費用は異なるものの、相応のコストと時間がかかります。

衛星データ利用・衛星開発のプレーヤー

とは言いつつも、何から手を付けたらいいかわからない方は、宇宙プレーヤーの先人から学びましょう。
以下の記事では、宇宙に関するビジネス事例が業界別でまとめられています。
参考記事:宙畑 宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業・銘柄、市場規模~
またJAXAが事務局を務める衛星地球観測コンソーシアムCONSEOは、産学官連携により、衛星開発から衛星データ利活用を推進するコンソーシアムで、多くのプレーヤーが参画しています。

2.許認可等

人工衛星やセンサーを利用するには許認可を取得する必要があります。取得までには数年かかるものもありますので、時間に余裕を持って関係省庁に相談にいきましょう。

宇宙活動法(内閣府)

人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(通称:宇宙活動法)に基づき、国内の人工衛星管理設備から人工衛星の管理を行う場合は、「人工衛星の管理に係る許可」に関する申請を行い、事前に許可を取得する必要があります。
(主な対象:国内の人工衛星管理設備から衛星を運用する場合など)
参考:内閣府「宇宙活動法に関する申請受付について

衛星リモセン法(内閣府)

衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(通称:衛星リモセン法)に基づき、衛星リモートセンシング装置を使用するものは、「衛星リモートセンシング装置の使用許可」に関する申請を行い、事前に許可を取得する必要があります。
(主な対象:日本国内に所在する操作用無線設備を用いて衛星リモートセンシング装置の使用を行おうとする場合)
参考:内閣府「「衛星リモートセンシング装置使用許可」及び「衛星リモートセンシング記録取扱認定」に関する申請受付について

電波法(総務省)

衛星と地上間で無線による通信を行う人工衛星局または地球局(実験試験局を含む)を利用するためには、電波法関係法令に基づき手続きが必要です。
(主な対象:日本で衛星と地上間で通信する場合など)
参考:総務省「人工衛星局及び地球局の開設手続き

また、国際電気通信連合(ITU)の無線通信規則(RR)に基づき、国際周波数調整等を行う必要があります。
参考:総務省「周波数の国際調整について

輸出申請(経済産業省)

外国為替及び外国貿易法に基づき、特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物及び役務の輸出には、経済産業大臣への輸出許可申請が必要になります。人工衛星に用いられる装置は該当する可能性が高いです。
(主な対象:日本以外の国で衛星を打ち上げる場合など)
参考:経済産業省「安全保障貿易管理とは
参考:一般社団法人安全保障貿易情報センター

宇宙物体登録(内閣府)

宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約に基づき、宇宙物体に関し、内閣府に対して宇宙物体登録に係る手続きを行う必要があります。
参考:内閣府「宇宙物体登録に係る届出マニュアル

3.衛星手配

必要なデータが手に入れられないものである場合、新たに衛星を製造することになりますが、すべてを自身で開発するには専門知識や技能が必要です。そこで、製造を委託するという選択肢をご紹介します。

主な相談相手

株式会社アークエッジ・スペース:10kg前後のキューブサットの製造が得意
キヤノン電子株式会社:50kg前後の超小型衛星の製造が得意
株式会社アクセルスペース:100kg級の超小型衛星の製造が得意

国際宇宙ステーション(ISS)を利用する

衛星を製造するのではなく、センサを製造し、ISS日本実験棟“きぼう”に搭載して観測する選択肢もあります。
参考:JAXA「i-SEEP - 中型曝露実験アダプタによる船外利用

4. ロケット/地上局手配

衛星を宇宙に運ぶためにロケットを利用します。それぞれの輸送サービスには代理店がいて、手厚いサポートをしてくれます。

また、衛星を宇宙で動かすために無線通信を利用します。それぞれの自前で通信アンテナを整備する選択肢もありますが、通信アンテナのシェアリングサービスを利用する選択肢もあります。

※こちらの相談相手は、輸送サービス/地上局サービスに限らず、その他のプロセスについての相談も受け付けています。詳しくはそれぞれのWEBサイトをご覧ください。

輸送サービス 主な相談相手

Space BD株式会社
三井物産エアロスペース株式会社

地上局サービス 主な相談相手

株式会社インフォステラ
スカイゲートテクノロジズ株式会社

5.衛星運用

計画したミッションを実施するためには、計画通りに衛星が稼動する必要があります。
衛星の運用には、健全性の確認やセンサの校正をするための初期運用、必要なデータを取得したり地上とやり取りするための定常運用などがあります。
データ取得については「データ取得」の項目で詳しく述べます。

初期運用

定常運用を始める準備を行います。ロケットから衛星を分離した後、衛星の電源、通信などの機能の健全性を確認した上で、各種センサを環境に合わせて校正します。

定常運用

計画してきたミッションの実施、つまりデータの取得、および衛星と地上局とのデータの送受信を行います。データ取得については「データ取得」の項目で詳しく述べます。
地上からは、衛星へ指示(コマンド)を出すために無線通信を行います。
逆に衛星からは、電圧や温度など衛星の基本的な情報(テレメトリ)を地上へ送り、衛星の状態に問題がないかを確認します。

メンテナンスとトラブルシュート

運用していく中で衛星の軌道がずれていくため、メンテナンスとして軌道を修正することがあります。

また機器不具合や緊急対応としてトラブルシュートを行うこともあります。具体的には、以下の事象や不具合が発生する可能性があります。
・デブリ回避、デブリ衝突
・誤操作(ヒューマンエラー)
・放射線等の宇宙環境に起因する機器誤動作
・経年劣化

廃棄運用

「廃棄」の項目で詳しく述べます。

6.データ取得

ミッションの実施です。いよいよ衛星から観測データを取得しましょう。

観測計画の立案

定めた目的や顧客からの要求に合わせて、観測するタイミングや頻度、観測エリア、観測モード(解像度など)を計画します。災害など緊急時には観測計画を変更し、緊急観測が行われることもあります。
例えば、JAXAの人工衛星ALOS-2の観測計画が公開されています。

ダウンリンク

衛星で観測されたデータを電波に乗せて地上に送信します。
衛星が地上局アンテナの上空を通っている間に、地上局とのデータのやり取りが行われます。
参考記事:宙畑 参入チャンス! 衛星を支える地上システムまとめ~構成、企業、法規制~

データの前処理

受信した電波を、画像など解析を行うためのデータ形式に変換し、歪みやノイズの除去など必要な補正を行います。
前処理を行うことで、利用者がデータを使えるようになります。
参考記事: 宙畑 【図解】衛星データの前処理とは~概要、レベル別の処理内容と解説~

データの提供

前処理を行ったデータを利用者に提供します。
衛星からは定常的にデータが送られてくるため、処理を行ったデータを随時、利用者に提供していくシステムの運用が求められます。
参考:JAXA 地球観測衛星データ提供システム G-Portal

7.廃棄

役目を終えた衛星の廃棄手続きを行います。スペースデブリにならないような工夫が必要です。
国際機関間スペースデブリ調整委員会(IADC)ガイドラインという国際的なデブリ対策標準書では、特に、低軌道での運用が終了した衛星は、定められた期間内に軌道変更もしくは大気圏再突入をさせるよう求められています。

軌道変更(デオービット)

国際機関間スペースデブリ調整委員会(IADC)ガイドラインでは、運用を終了した衛星は多くの衛星が運用を続ける軌道から離れるよう求められています。
軌道変更には以下の方法があります。
・衛星の燃料を噴射する方法
・宇宙空間にわずかに存在する希薄な空気による抵抗を利用する方法

残留エネルギーの排出

運用が終わった衛星の残留液体推進薬やバッテリの異常などにより、衛星を破砕する可能性がある場合は、誤作動及び爆発を防止するための措置を講じる必要があります。
参考:内閣府「人工衛星の管理に係る許可に関するガイドライン

停波

運用が終わった衛星から電波が送信されないように、衛星に搭載した通信機器を停止(停波)します。
衛星の運用を開始する際に申請をした電波をこれ以上使わない旨を、総務省に報告する必要があります。

大気圏再突入

地球の近くを周回している衛星の場合、希薄な空気の抵抗により衛星の軌道高度が徐々に下がり、最後は大気圏に再突入し、衛星は燃えて消失します。燃え残りが地表に落下し被害がでないよう、適切な材料の選定などあらかじめ安全の確保をしておくよう求められます。
参考:JAXA 再突入溶融解析ツール

その他の法的手続き等

衛星を廃棄する際、事前に許認可を得た関連法令等について終了措置等の手続きが必要です。
・宇宙活動法:人工衛星の管理に係る終了措置届出書の事前提出等が必要
・衛星リモセン法:終了措置届出書の事前提出等が必要
・宇宙物体登録:再突入により軌道上に存在しなくなった場合や停波等によって管理を終了する場合、追記の届出を行う必要がある