日本の宇宙産業のさらなる海外シェア獲得に向けて、宇宙産業に携わる企業の皆様との意見交換会「Sora Talk 2016」を、2016年7月15日（金）に東京の御茶ノ水ソラシティにおいて開催しました。

今回、宇宙産業の発展、海外シェア獲得を考えるに当たり、宇宙産業と共通点のある鉄道産業に携わっている方として株式会社ヤシマキザイ特別顧問の鈴木學氏をお招きし、同氏が前職の日立製作所においてご尽力された鉄道ビジネスの海外展開、特に1990年代後半以降の英国市場への挑戦と、受注獲得に至る取組みについてご講演をいただきました。

ご講演では、英国鉄道事業の民営化の時流を捉え、軽量車両や安全・安定輸送を支える運行管理システムなど、日本が培ってきた技術的な強みを活かせる市場構造であると分析して英国への参入に取り組まれたこと、また、参入に向けた活動の初期の段階で受注に失敗した反省を活かし、日立ブランドの確立のための取組みや、現地で数十年の長期にわたり鉄道事業を行うことができる企業体であることを証明するための取組み、官民一体となった取組みなど、実績を積み上げる中で信頼を勝ち取り、受注獲得成功に繋げてきたご経験について具体的なお話をいただきました。
今後に向けては、国内市場での堅調な事業基盤を活かして最先端の技術開発を行うなど国際競争力をさらに強化し、市場動向の変化を敏感に捉えながら積極果敢に海外展開に取り組んでいくとの、力強いメッセージをいただきました。
参加企業の皆様からは、海外で実施された具体的なプロジェクトの流れ、成功事例、失敗事例が宇宙産業における海外展開を考える上で大変参考になったとのコメントを多数いただきました。

また、このご講演に先立って、JAXAより、宇宙機設計標準の国際標準化と産業振興の取組み、産業振興に関する欧州との連携の取組み、海外シェア獲得に向けた展示会への出展等、JAXAの各種取組みについて、参加企業の皆様へ情報提供を行いました。

【資料】鈴木氏講演資料（PDF）