平成25年度採択案件/技術提案型(旧制度)

(Japanese) 共同研究実施体制

(Japanese) 研究代表者:(株)ルネッサンス・エナジー・リサーチ 代表取締役社長 岡田 治
JAXA研究者:研究開発本部 未踏技術研究センター 主任研究員 桜井 誠人 他


(Japanese) 共同研究の背景及び概要

(Japanese) CO2の分離回収は宇宙機において人間が生存可能な雰囲気を保つうえで非常に重要である。しかし、既存法である固体吸着剤を用いた方法は、対象空間内のCO2濃度が1%以下と希薄なために吸着効率が悪く、宇宙開発のためには高効率かつ小型・軽量のCO2分離回収技術が望まれてる。

JAXAは、CO2分離回収技術(極低濃度用)の小型化・軽量化を目的とした各種新吸着剤等や新技術の探索研究を行ってきており、幅広い評価技術を構築し、高度なシステム化能力を有していたが、実用性を見込める膜分離技術は保有していなかった。一方、ルネッサンス・エナジー・リサーチは近年、高性能なCO2選択透過膜(中濃度用)の開発に成功し、水素製造プロセス等への応用に向けて実用化に注力している。ルネッサンス・エナジー・リサーチのCO2選択透過膜の特長は非常に高いCO2透過性とCO2選択性とを併せ持っていることであり、省エネ・高信頼性が必要な宇宙開発用途にも適した特性を有している。

ここで両社が共同研究を行うことにより、CO2選択透過膜の低温、低CO2分圧領域での性能を向上させ、宇宙用の小型・軽量CO2除去システムを構築するための要素技術を実証していく。

劣化が少なく長寿命なCO2分離膜は、今後ミッション期間が延長してゆく有人宇宙探査を日本得意の環境技術の面から支える事を意味する。また宇宙開発用途に向けて低温、低CO2分圧領域の性能がブラッシュアップされたCO2分離膜は、先端環境材料として、化学産業等で水素製造プロセスの高効率化に寄与するだけでなく、地球環境対策技術として大規模CO2発生源からのCO2除去への応用や、天然ガスからのCO2除去等エネルギー分野への展開も大いに期待される。


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