2024.03.27NEWS
宇宙×暮らし・ヘルスケア分野のビジネス共創プラットフォーム 「THINK SPACE LIFE」の民間主導体制への移行について
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、J-SPARC(※1)の一環で企画・運営してきた、暮らし・ヘルスケア分野における新たな宇宙関連市場の創出を目指すビジネス共創プラットフォーム「THINK SPACE LIFE(※2)」(以下「本プラットフォーム)の運営を、特定非営利活動法人ミラツク(代表理事:西村勇也、以下「ミラツク」、※3)に移管することをお知らせいたします。
THINK SPACE LIFEは、2020年7月の立上げから今日までの約3年8カ月の活動期間の中で、
宇宙生活のQOL(Quality Of Life)の向上という新しい領域に230社以上の企業・団体がオープンイノベーション方式で取り組んで参りました。この230社のうち95%以上は非宇宙産業からの参加です。
これら非宇宙企業の技術・ノウハウを応用した製品開発の取り組みから、20製品が宇宙実装(一部今後実装予定、※4)、7製品が地上で新規販売されました。宇宙・地上両環境への実装実績は今後も増えていく予定です。
そしてこの度、JAXAとインキュベーションパートナーの共創活動のもと生まれた成果・ノウハウを活用し、本プラットフォームの目的と活動を民間主導で維持・発展させる方向で、本プラットフォーム立ち上げ時よりインキュベーションパートナーとして活動し、知見・ノウハウを有するミラツクとの間で、本運営を継承していただくことに合意しました。
ミラツクは、民間事業者主体の新体制(図1参照)のもと、既存・新規のインキュベーションパートナーと連携し、本プラットフォームを推進いたします。さらに今後は、今までの地球低軌道の有人拠点(国際宇宙ステーション等)における生活の課題・ニーズを起点とした製品・サービス創出に加え、あらたに月面での生活に向けた取組みを開始します。
なお、インキュベーションパートナーは、本プラットフォームの進捗やプロジェクトに合せて今後も拡充していくことを予定しています。
図1 THINK SPACE LIFEプラットフォーム新体制
【補足・参考リンク】
※1 :JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者などとJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証などを行い、新しい事業を創出するプログラム。2018年5月から始動し、これまでに40を超えるプロジェクト・活動を進めています。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
※2 :THINK SPACE LIFE
THINK SPACE LIFEとは、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の事業化促進に資する活動として始動した、宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くする研究開発や新規事業創出を目指す、インキュベーション機能やコミュニティを有する事業共創プラットフォームです。(2020年7月7日発足)
インキュベーション機能に係る企画・運営、及び各種インキュベーション機能の機会提供については、当該プラットフォームのインキュベーションパートナーと協働で推進。 ISS生活用品アイデア募集や既存の共同研究・実証の仕組みや様々な宇宙ビジネス参画機会と、当該プラットフォームを有機的に連携させ、宇宙に暮らす時代に暮らし・ヘルスケア分野が宇宙と地上双方の新たな市場へ発展するよう後押しをしてきました。
なお、「THINK SPACE LIFEプラットフォーム」の取組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における健康や住まいに関する下記3、6、11の目標を中心に、参画企業との連携を通して貢献を目指してまいりました。
<詳細はこちら>https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/projects/think-space-life/
※3:特定非営利活動法人ミラツク
2011年に設立(京都府京都市)。「既にある未来の可能性を実現する」をテーマに、異なる立場、業種、地域、セクターの実践者の共創を生み出すコミュニティの形成とイノベーションを加速するプラットフォームの構築、及び様々な企業と共に未来構想の実現に必要な情報とネットワークを提供し、新たな事業やプロジェクトの立ち上げ支援に取り組む。オンラインメディア「MIRATUKU JOURNAL」を運営。
<詳細はこちら>
https://emerging-future.org/
※4:2024年3月末時点で既に国際宇宙ステーションに搭載され宇宙飛行士が使用した製品数は13製品。2025年以降国際宇宙ステーションに搭載される予定の製品は7製品。