2019.12.6NEWS
「試験設備のシェアリングサービス」を提案。SEESE from ABLab、「S-Booster 2019」にてJAXA賞を受賞。
最終選抜会でプレゼンターを務めた棚田氏
2019年11月25日、日本橋三井ホール(東京都中央区日本橋)で開催された宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」最終選抜会において、「小型衛星環境試験場のシェアリングサービス」を提案したSEESE from ABLabがJAXA賞を受賞しました。
宇宙産業の裾野の拡大及び様々な分野における宇宙利用の促進を図ることを目指し、宇宙を活用したあらゆるアイデアを発掘、その事業化に向けた取組を支援するためのビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」。3回目の開催となった今年は、募集対象を国内のみならずアジア・オセアニア地域にまで拡大し、各国から約300件ものビジネスアイデアが集まりました。
最終選抜会では、予選を勝ち抜いたファイナリスト12組がビジネスアイデアを発表し、審査を経て、最優秀賞、審査員特別賞、スポンサー賞、JAXA賞が授与されました。
今回JAXA賞を受賞したSEESE from ABLabが提案したのは、全国に存在する小型/超小型衛星の環境試験場を一つのWebプラットフォーム上で管理し、試験予約から、試験機の配送、人材提供を始めとした試験サポートまで一気通貫で提供する「小型衛星環境試験場のシェアリングサービス」。人工衛星の全製造コストのうち30%を占めるとも言われる重要な工程である「環境試験」のハードルを下げることで、衛星市場への新規プレイヤー参入のボトルネック解消等を狙います。
SEESE from ABLabの棚田氏、永井氏
授与式でプレゼンターを務めたJAXA中村理事は、環境試験設備は多くの企業の方、宇宙に参入しようとする方にとって基盤となる重要なものであり、この分野に目を向けていただいたことを嬉しく思い、またJAXAは、JAXAが持つ技術やデータを活用し支援をしていきたいとのコメントを行いました。
【受賞者コメント】
この度はこのような名誉ある賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。
審査員、メンターの方々、そしてS-Boosterに取り組むきっかけをくれたABLabという宇宙ビジネスコミュニティに感謝の意を述べたいと思います。
我々のビジネスは、ロケットを打ち上げるわけでも衛星を作るわけでもありません。一見地味に見えるかと思います。しかしJAXA中村理事が仰っていたように環境試験は多くの事業者にとって基盤となる欠かせないフローです。
我々SEESEは宇宙産業におけるエコシステムとなることで、衛星事業者が心置きなく事業に集中できる環境を作って行きます。これまで官需を主として閉鎖的だった宇宙産業だからこそ「シェアリングプラットフォーム」、「産業横断」といった新しい切り口によって、大きく変革できる可能性を秘めていると私は感じます。
今後はSEESEの事業化に向けて法人化、資金調達を目指したいと考えています。
●S-Booster
https://s-booster.jp/
●最終選抜会、ファイナリスト一覧
https://s-booster.jp/2019/final/index.html
●S-Booster 2019 最終選抜会 ライブ中継動画
●S-Booster 2019 実行委員会
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