2025.08.28NEWS
JAXAによる新たなスタートアップ支援策について
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、職員の新規事業創出による研究開発成果の社会実装とこれによる社会課題の解決、また宇宙航空産業の活性化を図るため、2004年にJAXAベンチャー認定制度を立ち上げ、一定の審査を経た企業を「JAXAベンチャー」として認定し、支援を実施してまいりました。
この度、宇宙航空スタートアップエコシステムが急激に拡大する現代においては、機構職員がより技術シーズの事業化に挑戦しやすい環境を整備し、JAXAの研究開発成果の社会実装を加速すること、ならびに増加するスタートアップ各社に対して支援策を広く提供していくことが重要であるとの考えから、この度以下の通りJAXAベンチャー支援制度を発展的に見直すことといたしました。
改正のポイントは以下の3点となります。
- ・支援対象の拡大
- ・認定制度から名称許可制度への変更
- ・支援施策の充実化
©JAXA
図1 新旧制度比較イメージ
◆ 支援対象の拡大
これまでもJAXAでは、JAXAの知的財産や知見を利用した事業を行うJAXAベンチャー認定企業に対して支援を行ってまいりました。
新制度においては従来の「JAXAベンチャー」に相当する企業に加えて、新たにJAXAの研究開発成果を活用するスタートアップに対しても支援を行ってまいります。
新制度においてJAXAが支援対象とする企業は次の二つのカテゴリーとなります。
① JAXAスタートアップ
従来のJAXAベンチャーに相当する企業となり、その要件は次の通りです。
・JAXAの知的財産又は機構の業務により獲得した知見を利用し開発した製品やサービスを市場に提供する事業を主たる事業としていること
・JAXAの知的財産又は知見について必要な知識を有している機構の職員が取締役(合同会社においては業務執行社員)であること
図2 JAXAスタートアップロゴ
② JAXAパートナースタートアップ
新制度において新たに支援対象とする企業カテゴリーが「JAXAパートナースタートアップ」です。
本カテゴリーはJAXAの成果活用法人に該当する、以下のいずれかに当てはまる事業を主たる事業として行うスタートアップを対象として申請を受け付け(※)、支援対象とします。
・JAXAとの共創及び共同研究活動において創出した成果を活用した、又は活用しようとする事業
・機構の特許等の許諾契約を締結し当該特許等を活用した事業
・機構が開発した機器等を譲り受けこれを活用した事業
・機構が実施する事業の移管を受けた事業
※JAXAパートナースタートアップの応募申請は近日受付開始予定。
詳細が確定次第、本HPにて周知いたします。
図3 JAXAパートナースタートアップロゴ
①②に共通の条件
・コンサルティングやアドバイザリー業務を主たる事業とする企業は対象外となります。
・事業の成長戦略を提示いただきます。
・支援期間は最大で10年間となります。
◆ 認定制度から名称使用許可制度への変更
従来制度ではJAXAベンチャーの認定にあたり審査会を開催し、申請者の事業計画・リスク等を綿密に審査しておりましたが、スタートアップの事業実態との乖離などが課題となっておりました。
新制度ではスタートアップの迅速な成長と柔軟な事業計画変更にも対応できるよう、上記の要件に該当し事業を成長させる意思を持つ企業からの申請を受け付け、JAXAは要件に適合する企業へ 「JAXAスタートアップ」「JAXAパートナースタートアップ」としての名称を付与します。
◆ 支援施策の充実化
新制度における支援内容は、名称の使用許可にとどまらず、JAXAと連携関係にあるファンドの紹介や提携機関によるスタートアップ支援策への推薦等の資金獲得・アクセラレーション支援、各種イベントへの出展推薦等を含む広報支援などの支援体制を整備し、これまで以上に実効性のある支援を提供して参ります。
さらに今回の制度改定に合わせて、これまでJAXAが個別展開していた民間共創施策や支援施策を、「スタートアップ支援策」として再整理・体系化し、新制度の対象企業に限らず、広くスタートアップへ展開します。個別施策内容そのものには変更ございませんが、より多くのスタートアップがJAXAとの連携可能性を見出せるよう、新制度と接続した支援体系として運用してまいります。
©JAXA
図4 支援施策内容イメージ
問い合わせ
以下のお問い合わせフォームより「JAXAスタートアップ支援制度」をご選択の上、お問い合わせください。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/contact/form/