2022.02.18NEWS
S-Booster最終選抜会でファイナリスト12組がビジネスアイデアを発表!JAXA賞はSolidknit
2021年12月17日、日本橋三井ホール(東京都中央区日本橋)で宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2021」最終選抜会が開催されました。宇宙現地での物品の製造・リサイクルを可能にする編み物を用いた3Dプリンタ「ソリッド編み機」を提案しJAXA賞に輝いたSolidknitのプレゼンの様子やコメントを紹介いたします。
最終選抜会でプレゼンターを務めたSolidkint廣瀬氏
「S-Booster」は、宇宙産業の裾野の拡大及び様々な分野における宇宙利用の促進を図ることを目指し、宇宙を活用したあらゆるアイデアを発掘、その事業化に向けた取組を支援するためのビジネスアイデアコンテストです。4回目の開催となった今回の「S-Booster 2021」は、2019年と同様に(2020年は未開催)、募集対象を国内のみならずアジア・オセアニア地域にまで拡大し、各国から約180件ものビジネスアイデアが集まりました。
最終選抜会では、予選を勝ち抜いたファイナリスト12組がビジネスアイデアを発表し、厳正なる審査を経て、最優秀賞、審査員特別賞、スポンサー賞、JAXA賞が授与されました。
「ソリッド編み機」プレゼン風景
今回JAXA賞を受賞したSolidknitは、編み物を用いた3Dプリンタ「ソリッド編み機」を開発し、宇宙現地で物品を製造・リサイクルすることを提案しました。ソリッド編みとは、編み物で中身の詰まったかたいものをつくることができるSolidknit独自の技術です。編み物を用いることで、椅子をほどいて机に編み直すといった「物体のアップデート」が可能になります。宇宙空間への物品運搬は莫大なコストがかかるため、この高リサイクル性は大きなメリットとなります。
ソリッド編みの固さを実演する廣瀬氏
授与式でプレゼンターを務めたJAXA石井理事は、「これから研究を重ねていく段階と伺いましたが、本当に新しいアイデアというか、聞いたことのない技術だというのが正直な感想です。今後、国際宇宙探査、月面での活動を想像した場合に、提案された3Dプリンタ編み機でベッドとして作ったものを机や椅子、更には靴や服に変えるというのは今までに聞いたことのない発想でした。その将来への可能性と探査活動の親和性を感じJAXA賞に選ばせていただきました。」とコメントしました。
受賞後の記念撮影 (左)JAXA石井理事、(右)Solidknit廣瀬氏
【受賞者コメント】
JAXA賞の発表でSolidknitの名前が呼ばれたとき、自分の技術の有用性がJAXAに認められたと感じて本当にうれしかったです。
また友人たちからもたくさん、JAXA賞すごい、おめでとうと言ってもらえました。
ただ、JAXA賞というかっこいい名前によろこんでいるだけではなく、この賞の内容である「JAXAによる支援」を最大限に活用したいと考えています。
わたしのソリッド編み機という技術はまだまだこれからという段階ではありますが、他にはだれもやっていないことです。
このオリジナリティを活かして、小規模からでも仕事につなげていきたいと考えています。
もしJAXA様からお仕事をいただくことができればそれほど光栄なことはありませんし、JAXA様にとってもわたしのようなスモールビジネスの事業者と仕事をすることは、あたらしい試みのよい事例になるのではないか?といったことを勝手に考えています。
「JAXAはソリッド編み機をどう使えるのか?」「ソリッド編み機はJAXAをどう使えるのか?」を具体的に考えていきたいと思っています。
ご興味を持ってくださった方、ぜひ一緒にこの技術を発展させていきましょう!
●S-Booster
●最終選抜会、ファイナリスト一覧
https://s-booster.jp/2021/final/index.html
●S-Booster 2021 最終選抜会 ライブ中継動画
●S-Booster 2021 実行委員会
内閣府宇宙開発戦略推進事務局
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
●S-Booster2021スポンサー各社(社名五十音順)
株式会社NTTドコモ
スカパーJSAT株式会社
ソニーグループ株式会社
第一生命保険株式会社
株式会社本田技術研究所