フィジビリティスタディフェーズ
平成21年度採択案件/ビジネス提案型(旧制度)
共同研究実施体制
ユニットリーダー:(財)大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門 研究部長 裏出良博
ユニットメンバー:(株)丸和栄養食品 代表取締役 伊中浩治
(株)医薬分子設計研究所 代表取締役 板井昭子
他製薬企業1社
JAXA研究者:有人宇宙環境利用ミッション本部 宇宙環境利用センター 佐藤勝、小林智之、佐野智
共同研究の背景及び概要
キーワード
<タンパク質立体構造情報に基づく薬剤設計>
(Structure-Based Drug Design :SBDD)
標的病因タンパク質の3次元立体構造に基づき、効率よくより効果のある薬剤設計を可能とする手法。タンパク質の活性部位(結合した分子を変化させる箇所)を「鍵穴」、阻害薬(タンパク質の活性部位に結合して活性を阻害する化合物)を「鍵」に例えた場合、鍵穴の形状を基に、合致する鍵の形状を設計するような手法。より正確な組み合わせとするためには、タンパク質の3次元分子構造をなるべく精密に解明する必要がある。
病因タンパク質の活性部位と阻害薬の構造が正確に対応するほど体内での誤作用が少なくなり、投与量を少なくできることから、副作用の少ない治療薬の短期間、低コストでの開発を可能とする手法として近年注目されている。
<デュシェンヌ型ジストロフィー>
骨格筋細胞の構造を支持するために必要なタンパク質「ジストロフィン」の異常により発症する筋ジストロフィーの中でも、最も重篤なタイプの難病。
進行性の筋肉の疾患で、4、5歳頃に診断され、その後は全身の筋肉がやせ、10歳前後で歩行困難のため車いす生活となる人が多く、さらに全面的な介助を必要とするようになる。以前は20歳前後で心不全や呼吸器不全のため死亡するといわれていたが、医療技術の進歩により、現在は5~10年は生命予後が延びている。しかし、未だ根本的な治療法が確立しておらず、病気の進行を遅らせることや合併症の発生予防のため、リハビリテーションなどの対症療法のみが行われている。
X染色体の劣性遺伝のため、男児3500人に1人の割合で発症し、その頻度は国や地域にかかわらない。現在国内の患者数は約3000人。
INTERVIEW
インタビュー
難病患者の笑顔のために宇宙実験で創薬をめざす
(財)大阪バイオサイエンス研究所第2研究部・分子行動生物学部門 研究部長裏出良博 氏