共同研究の背景及び概要
JAXAにおいて宇宙用に研究されている再生型燃料電池技術のうち、ユニタイズド再生型燃料電池(URFC)システムについて、長期保管性能や将来の高エネルギー密度化への可能性に着目し、CO2排出を抑制するビルの蓄電設備や、災害時等に使用する非常用電源として研究開発を行う。
特にJAXAが行ってきたURFCシステムの研究成果をもとに、蓄電部の循環系の改良等を行うことで小型化を図り、また制御部の小型軽量化を進めてシステムの汎用化を可能にする。
再生型燃料電池は、水の電気分解により水素と酸素を生成してタンクに貯蔵しつつ、必要に応じて電池反応により電気を作る技術である。ユニタイズド再生型燃料電池とは、これらの反応を一つの反応場(URFCスタック)で行う技術であり、再生型燃料電池の中でも特に小型/軽量化を実現できるため、JAXAでは月・惑星探査用電源としての研究を進めてきた。本研究を通じて、この技術の民生展開が可能になり、上記応用以外にも、ジオフロントやウォーターフロント等への技術転開が可能になると期待される。