共同研究の背景及び概要
将来の自立的な有人探査、遠方天体からの無人サンプルリターン等、「帰還」が求められる宇宙探査において鍵になるのが、帰還時に宇宙機が遭遇する再突入空力加熱、すなわち大気による加熱から機体を防護するための耐熱材料の開発である。
本共同研究では、耐熱材として有利な、層間の高強度・低熱伝導性の特徴を併せもつ特殊な3次元構造によって、さらなる性能向上、安定化を行う事で、将来ミッションにも有望な耐熱材料の製造に貢献する。
既存の織機を改造し3次元多層構造織物を作成し、縫製、焼結、樹脂含侵、加熱試験評価を行いつつフィードバックし、厚さ数cm、密度0.2g/ccの炭素繊維集合体を製作する。耐熱性能として月以遠からの帰還、最大値にて、はやぶさ並以上の低損耗を目指す。