共同研究の背景及び概要
半導体製造における高集積化のほか、照明や電子部品・光学部品に使用される放熱・耐熱フィルム開発など、日本が得意とする技術にはさらなる精密さが求められている。それらに使用される光学部品や構造材料には温度変化に対して変形しない、より高度な寸法安定性が求められている。
アルバック理工は材料の熱物性評価において高い技術を有しており、レーザー干渉法を用いた高精度な熱膨張測定装置の商用化を実現している唯一の企業であり、その更なる高性能化に注力している。
JAXAでは、高精度な観測を実現するため、人工衛星に搭載される望遠鏡やその構造体に安定性の高い材料を必要としており、温度変化に対してほとんど変化しない極低膨張材料を用いた高精度構造の開発とその評価技術の研究を進めている。ここで両社の技術を結集し、さらなる高精度な熱膨張測定技術を開発する。本共同研究終了後、アルバック理工による熱膨張測定装置の製品化を目指す。
これにより、材料の熱物性をより正確に把握し、我が国が比較的強い材料産業、半導体装置産業をより強くすることができる。特に、半導体、有機フィルムなどの素材に対する加工精度向上により、精密部品の信頼性向上および高性能化が図られることで、結果として部品製造業の収益性向上に繋がり、国際競争力強化が期待できる。