1.出資機能概要

2021年4月に「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」が改正されました。 これに伴い、JAXAは、同法第三十四条の六に基づき、JAXAの研究開発の成果に係る成果活用事業者等に対して出資並びに人的及び技術的援助の業務を行うことができることとなりました。 JAXAは、出資並びに人的及び技術的援助(以下、「出資等」)にJAXAが取り組む意義(ミッションステートメント)を以下のとおり設定し、出資等をJAXA産業振興施策の一つの手段として活用していきます。

<ミッションステートメント>

①機構の出資等によって、機構の研究開発成果等の民間企業による活用・事業化を促進し、研究開発成果の最大化及び社会実装の実現に貢献する。
②機構の出資等によって、宇宙産業エコシステムの構築や異文化との糾合を図るオープンイノベーションを促進して、我が国の産業競争力並びに産業科学技術基盤の維持及び強化に寄与する。

(出資対象)

  直接出資(1号) 間接出資(2号) TLO等(3号)
対象 JAXAの成果活用事業者 左記ベンチャー等を支援する
ベンチャーキャピタルファンド
成果活用等支援法人

(直接出資及び間接出資の目的)

直接出資 間接出資
機構の研究開発成果のビジネス利用促進 持続的な宇宙産業エコシステム構築推進
(新規参入の促進)
シード・アーリー段階等の成果活用事業者に対する企業など新規参入を促進する。
(成長加速)
成果活用事業者のうち、特に新たな市場形成、イノベーションを喚起するビジネスを目的とした者に対し、事業化のリスク低減等を通じた成長加速を支援する。
(オープンイノベーションの促進)
次世代、非宇宙ディープテック領域等を対象に幅広い出資を行うファンドを組成・運用し、事業シナジー追求等を通じてオープンイノベーションを促進する。
(高い呼び水効果)
政府、金融機関、事業会社、国研等の官民ステークホルダーと幅広く連携し、呼び水効果等を高める。

(ハンズオンポリシーについて)

直接出資:

JAXAは、出資先を支援するため、必要に応じて既存の産業振興施策の活用・組み合わせ等によりJAXAとしての人的及び技術的援助(ハンズオン)にかかる計画を策定したうえで、ハンズオンを実施します。
ハンズオンに活用する産業振興施策の例としては、宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)、JAXA施設・設備供用、JAXAベンチャー、各種情報提供・ネットワーク支援等があります。

間接出資:

出資先のファンド運営を支援するため、出資先と事前に合意した範囲内でハンズオンを実施します。
JAXAが行うハンズオンの主な例としては、ファンドの投資先への「研究開発支援」、「知財・大企業連携支援」等があります。

2.出資実績

区分 出資先名称 リンク
直接出資 株式会社天地人 https://tenchijin.co.jp/?hl=ja
株式会社SPACE WALKER https://space-walker.co.jp/
間接出資 Frontier Innovations 1 号投資事業有限責任組合 https://www.frontier-innovations.jp/

3.出資検討について

出資に関する相談は通年で受付しておりますので、こちらからお問合せください。
なお、出資検討においては、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」に基づき、次の条件を満たしていることが前提となります。
直接出資:機構の知的財産や共同研究成果等を事業活動において活用(又は活用しようと)している成果活用事業者で、JAXAの出資により当該成果の最大化及び社会実装に貢献できること。
間接出資:JAXAの資金供給等事業を行う者に対する出資に関する文科大臣の認可基準(※)が遵守できること。
(※)ファンドの存続期間満了時点において、ファンドの出資履行金額に占めるJAXAの出資額の割合と同等以上の額を、JAXAの成果活用事業者に出資する義務等。