「H-IIA/B」や「こうのとり」の組み立てを担当

1965年に創業した東明工業は材料試験、衝突試験、性能試験などのオリジナルおよびオーダーメイドの各種試験装置の設計・製作、強化ダンボールや特殊コンテナ製造などの総合物流業務を手がける中堅企業だ。宇宙分野では、大型ロケット「H-IIA/B」や宇宙ステーション補給機「こうのとり」の組み立てを担当している。

最近はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の成形加工メーカーを子会社化する一方、塗装工場を新設するなど、宇宙・航空機器の組み立てから、さらに付加価値の高い工程へ進出を図っている。

宇宙航空機器の生産拠点は、愛知県知多市の知多工場だ。温度や湿度が一定に保たれた工場建屋内では、平均年齢30歳という若い従業員が、チームを組んでこうのとりを組み立てていた。

宇宙航空分野で要求される高い技能を身に付けるため、同社に入社するとまず、工場建屋の横に建設した「教育訓練センター」で3週間ほど訓練を受ける。その訓練は厳しく、この期間中に辞めていく人もいるという。

製造品出荷額日本一を誇る愛知県の企業の中でも、東明工業は特に優れた「ものづくり企業」として、2008年に「愛知ブランド企業」に認定されている。

愛知県知多市にある東明工業の知多工場。宇宙航空分野の製造拠点だ。

「こうのとり」の非与圧部に、2人1組になって、リベットを打ち込んでいく。こうのとり全体では約3万8000の穴を開け、リベットを打ち込む必要がある。

「こうのとり」の推進モジュールの構造組み立て。検査が終了すると、三菱重工業に輸送する。

工場建屋の横に建設した「教育訓練センター」での教育の様子。同社に入社するとまずここで3週間ほど訓練を受ける。

東明工業株式会社

INTERVIEW

インタビュー

宇宙分野の仕事で培った高い品質はほかの分野に生かせます

東明工業株式会社
代表取締役社長 二ノ宮 啓氏

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