温度センサーの可能性を追求し続ける

岡崎製作所は産業用の温度センサーの分野で、シェアの過半を握るトップ企業だ。同社の岡崎一雄社長は社長就任以来50年間、温度センサーおよびその中核となるMI(無機絶縁)ケーブルの可能性を追求し続けている。計測分野に幅広く進出するのではなく、温度計測を極めるというのが岡崎社長の方針だ。

同社が宇宙分野を初めて手がけたのは1983年のこと。国産ロケット「H-II」の開発において温度センサーも国産化することになり、同社も旧NASDA(宇宙開発事業団、現在はJAXAに統合)に応募。候補5社の中から同社が選ばれた。それ以来、日本のロケットにはすべて、同社の温度センサーが搭載されている。また、同社の温度センサーは90年にはNASDAから宇宙開発用共通部品に認定され、2012年にはESA(欧州宇宙機関)からEPPL(推奨部品リスト)に認定登録されている。

12年には神戸市西区に本社工場を移転して、温度センサーの製造を集約した。ただし、航空宇宙用の温度センサーは、専用工場である神戸西工場で生産する。

2012年に稼動を始めた岡崎製作所の本社工場。航空宇宙分野以外の温度センサーの生産をここに集約した。

2002年稼動の神戸西工場。航空宇宙分野の温度センサーを生産。専用のクリーンルームや試験装置などを備えている。

宇宙用温度センサーのハンダ付けなどを、顕微鏡を使って目視で確認する。

ロケット外部と内部をつなぐ部分を組み立てる。手作業でセンサーとつないでいく。

温度センサーのプローブとなるMIケーブルをセンサー本体につなぐ工程。繊細さが要求される作業だ。

温度センサーの試験装置。信頼性が厳しく要求されるだけに、厳密な測定が必要だ。

拡大鏡を使って温度センサーを目視検査する。

「温度計校正室」は独立行政法人製品評価技術基盤機構よりJCSS事業者として認定されており、世界標準レベルの設備を有している。

株式会社岡崎製作所

INTERVIEW

インタビュー

7種類の衛星用センサーが欧州の推奨部品に認証されました

株式会社岡崎製作所
代表取締役社長 岡崎 一雄氏

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